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  • 2018.01.20

結婚準備を何もしない彼を、なぜわたしは許してしまったのか?

書類、結婚式、挨拶…やることがたくさんの結婚準備。なのに仕事で忙しい彼が、計画に非協力的で頼りなく、何もしてくれない…という悩みを持つ女性は多いもの。大泉りかさんは、そんな彼を許して自分で抱え込んでしまったばっかりに、不満が爆発してしまいました。

結婚準備を何もしない彼

ブーケを持って草原に座り物憂げな表情のウェディングドレス姿の女性の画像
by Ary Shutter

 “結婚”を決意した場合、たくさんの準備が必要となります。例えば、入籍だけで済ませようと考えた場合でも、最低限、書類は揃えなくてはなりません。結婚式やお披露目会をする場合は、会場の選定から始まり、それに伴う様々な準備や手配に加え、関係各所に報告をして参加してもらえるかどうかの打診も必要です。

 こんもり山盛りに降りかかってくる結婚の準備は、もちろん、すべてが楽しくないというわけではありません。しかし、ドレス選びはテンションがあがるけど、招待する人のリストをパソコンに入力するのは面倒くさい、式場の下見はワクワクするけれど、招待ハガキに切手を貼るのは退屈な作業……というふうに、多くの場合は「楽しい」と「楽しくない」が交じり合っています。当然、やりたくない作業も出てくる。

 それでも、パートナーとともに作業を分担したりして、一緒に“結婚”という目標に向かっていくのが、理想というか、当たり前だと思うのです。けれども、わたしの当時の恋人は、まるで他人事のように、それらの準備に参加してくれることはありませんでした。

 多くの花嫁と同じように、「彼が結婚の準備に全然参加してくれない」と不満を抱きつつも、なぜ、それを許していたか。それにはいくつかの理由があります。

彼を許してしまった理由

 彼を許していた理由のひとつは、彼の仕事が激務だったこと。朝の6時に家を出て、帰ってくるのは夜の22時すぎの彼が、帰宅後に出来ることといえば、ご飯を食べてお風呂に入って寝るだけ。それが月から金、隔週で土曜日まで続くのです。

 一方でわたしは、それなりの量の仕事をこなしていたといえども、自宅作業がメインで、時間の余裕が違います。だから「せっかくの休みくらいは好きなことをしたい。休みの日までやることを決められたら、いつ休んだらいいんだ」という彼の意見にも一理あると考えてしまった。

 ふたつめには、彼がそもそも「結婚式はしなくていいよね」と言っていたこと。にもかかわらず、うちの父親の意向で式をすることになった経緯がある以上、面倒をかけるのも申し訳ないとも思ったのです。

 とはいえ「結婚式と披露パーティーをする」という決断を下したのは、結局わたしたちふたりなのだから、わたしはなんの負い目を感じる必要もなかったはずです。それなのに、「やりたくないことに付き合ってもらって申し訳ない」という思考回路に陥っていたのでした。

 はっきりいって、そのすべての行動が間違っていた……ということを、現在の夫との子を出産し終えた今になって思います。
というのも、いったん育児の話になりますが、パートナーが激務である育児中の女性の多くは、「せっかくの休みくらいは好きなことをしたい」の言葉にほだされたり、仕方ないと諦めたりして、休みなしで育児をしている。その結果、育児鬱のようになったり、夫への愛情がすっかり醒めてしまったりしているケースがザクザクと見つかります。

 結婚準備も同じです。配偶者がふたりのことに協力的ではないせいで、絶望感と苛立ちが確実に積み上がっていく。それなのに、わたしは「疲れていて時間の余裕のない彼に、これ以上を負担を負わせたくない。代わりに自分ががんばればいい」と考えてしまったのでした。

諦めがついたセックスレス

 依然続くセックスレスと、結婚式に向けての具体的作業を何も協力してくれないこと。どんどんと募っていく不満が溢れたのは、ある夜のことでした。セックスレスを解消したいと日々口にしていたわたしに根負けした形で、なんとその夜、彼がセックスに応じてくれたのです。

 改善の兆しを喜び勇んで布団に入ると、彼はわたしのショーツを降ろしてアソコを触ってきました。そしてややあったのち、苛立ったような声で言ったのです。「濡れないから無理じゃない?」と。

「キスもなしにいきなりアソコが濡れるかボケ」「舐めたりすればいいじゃんバカなの?」といった罵詈雑言が頭の中に浮かびましたが、それ以上に悲しみが勝りました。そして、これだけわたしとセックスをする気がない人にセックスを強いたこっちがバカだったわ、とようやく諦めがついた。

 それからしばらくして、わたしは飲み会の場でたまたま会った男性に、「結婚が決まっているけど、セックスレスなんですよー」と酔った勢いで打ち明け、「じゃあ、僕と代わりにしますか」と誘われて、あっさりとホテルに行きました。結婚を前にして別の男性と寝ることに、自分でもびっくりするくらい罪悪感はありませんでした。それどころか正当な行為だとも思っていました。

 だってわたしは、相当がんばった。がんばってがんばって、それでもどうしようもなかった。だから、別の方法を探るしかなかったのです。

――次週へ続く

Text/大泉りか

次回は<結婚へのデスロードを歩くわたしは、引出物のデザイナーと浮気した>です。
結婚式の準備は、司会者との打ち合わせやレンタル衣装の手配、会場の見学など山積みで、パートナーと協力しなければ大変。ひとりでこなさなくてはならなかった大泉りかさんは、婚約者に復讐するかのように引出物のデザイナーと夜を共にしました。

ライタープロフィール

大泉りか
キャバ嬢、SMショーのM女、ボディペインティングのモデルなどの経歴を経て、現在は官能小説家、ライトノベル作家。
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