人前で脱ぐわたしと彼との仲

 人前で脱ぐわたしの「世の中に出たい」という思惑など、年上の彼氏はまったく知らなかったし、そもそも興味自体があまりなかったと思います。例えば彼の知り合いに会った時はいつも「これ、うちの彼女なんだけど、あっちこっちで脱いだりしてる面白い子」というふうに紹介されていました(そう、ようやくわたしは「面白い子」だと認められたのです!)。

 一方で、紹介された誰もが「なになにどういうこと?」とわたしに興味は持つことはあれど、「そんなに若い子と付き合ってるんだ」と驚いたり、「彼女が脱いでるって大丈夫?」と彼を心配する人はいなかった。それはようするに、わたしと彼との仲が、さして真剣ではない単なる一過性の遊びの延長だと、誰もが感じていたからだと思います。それはわたしも同じでした。

 24歳のわたしは、なんとなく30歳までには結婚するものだと考えていました。たぶんそれは、実家に帰る度に母親から「お付き合いしている人はいるの?」「結婚はするの?」「するなら30歳前にしなさいよ」と再三言われたからだと思います。母だけではなく、世間がそういう風潮でした。

 今では信じられないですけど、かつては25歳を過ぎても未婚の女性のことを「売れ残りのクリスマスケーキ」と揶揄することがありました。わたしが20代の頃は、「25歳で結婚!」という圧力は流石になくなっていましたが、25歳とされていた「売れ残り」のリミットが30歳になっただけで、「女は結婚するのが普通」「20代で結婚するのが普通」という社会通念があり、そしてわたしもその考えに囚われていました。

 しかし、わたしの中で、彼との結婚は考えられませんでした。年齢差も気になったし、彼もわたしのことをそういう対象には思っていないだろうと考えていたし、それになにより、彼とは、あまり積極的にセックスをしたくなかったのです。

――次週へ続く

Text/大泉りか

次回は<「本当はセックスしたくない男性」とセックスしたことがあるわたしに皺寄せが来た>です。
「本当はセックスしたくない男性」とセックスしたことのある女性はどれほどいるのでしょう。大泉りかさんがそれを初めて経験したのは17歳のときでした。24歳のときに付き合った男性も、きちんと好きなのにセックスはしたくなかった……。結婚までの道程を辿る闘いの記録はまだまだ続きます。