わかり合おうとしたのが間違っていた

 縁を切ったのは「結婚をしている人は、安心しきって、いろいろと甘えてサボっている。わたしは不倫をすることで、本命という立場にいる人がいかに関係にあぐらを掻いているかわかった」という彼女の発言がきっかけでした。それをわたしに言うということは、彼女には、わたしが夫との関係にあぐらを掻いているように見えたのかなーと疑ってしまったことが原因です。むしろ、その指摘がズバリと真実を突いているからこそ苛立ったのだとすれば、わたしの許容範囲が狭かったということでもあります。
そう思う一方で、「不倫している自分を棚にあげて、そういうこと言うんだ」という醒めたような気持ちもありました。立場が違うからこそ、肯定しあわなくてはならないのに、結局わたしたちは、それができなかったのです。

 思えば、その女性とは、「立場は違っても、同じ人間、同じ女性だからわかり合える」ということを確かめ合うように、ことさらに恋愛の話ばかりをしていました。けれども、それが間違っていたような気もします。
むしろ、「わたしは不倫の悩みもノロケも一切聞かない」と宣言をし、こちらも同じく自分の夫の話は一切せずに、美味しい肉や会社の愚痴、恋愛とは関係のないテレビドラマの話で楽しんで、そのうち、いつかまた、恋愛やお互いのパートナーの話を笑ってする日が来るのを待つというのが、正しかったのかもしれません。

Text/大泉りか

次回は <「初デートでサイゼはない」派の女の子たちへ!男性だって変わるんだからもったいない>です。
ここ数日激論が交わされている「初デートでサイゼリヤはアリか?」論争。たしかに、デートっぽい特別なお店を好む人は多いかもしれませんが、大泉りかさんが現在の旦那さんとの8年間を振り返って、ナシ派の方々へアドバイスです。