ネトナン師とストナン師はどっちが上?地獄のような討論を聞いた

先日自宅で、ツイッター改めXのタイムラインを眺めながら酒を飲んでいたときのことです。そろそろ寝ようかなと思ったタイミングで、とあるスペースが開催されているのが目に入った。どんなスペースかというとストリートで女性に声を掛けてセックスへと持ち込むストナン師と、ネットを主戦場とするネトナン師とが討論し合い、どっちが上かを決めようぜ、という地獄のような企画のスペースで、当然のごとくわたしはその地獄にダイブした。

コンセプトが「どっちが上かを決める」というものなので、そこで交わされていたのは、互いの見識をシェアし合うポジティブな会話ではなく、むしろ喧々諤々の否定合戦で、ネトナン師の「ストナンはルッキズムの問題で40代になると厳しいけれど、ネトナンは外見以外で勝負できる」という主張に対して「ネトナンはどんな女でも拾うスタイルだから風俗に行くのと変わらない。ストナンは狙った女の子を落とすからレベルが高い女の子とセックスできるし、難しい分だけ実力者となれる」とストナン師が理屈を語る。するとネトナン師が「風俗と違ってネトナンは時間無制限だし実際、シコい女もいる」とマウントを返し、そこにストナン師が「ストリートのほうがいい女を確実に狙えるし、そもそもマッチングアプリに登録してる女なんて抱きたくない」と鬼の首を取るという、最高に興奮する試合運びで、ついつい夜更かししてしまい翌日は寝不足でつらい目にあったのでした。

有名なストナン師に密着!

ストナンといえば以前、エロ本の企画で界隈では有名なストナン師に密着して、実際にストナンする姿を見せてもらったことがあります。企画の性質上、ストナン師がストナンに成功してくれないと、取材が終わらず帰れないので「どんだけ路上にいないといけないんだろ……」と憂鬱になっていたのですが、ナンパを始めてものの10分ほどで成功。女の子とともにネットカフェに消えていくネトナン師の後ろ姿を見送りながら、「神か……!」と奇跡を目の当たりにした気持ちになったのでした。

30分後、ネットカフェから出て来たナンパ師にどうだったかを尋ねたところ、ネットカフェで一発キメたけど射精まではしていないという。せっかくセックスに持ち込めたのに射精はしていない!? 中折れでもしちゃったんすか? と疑問に思って尋ねたところ「ナンパした女の子と一発ヤルことが目的だから、射精しなくてもいい」とのたまう。ネトナン師の行動理念に感服というかポイントカードにスタンプを押したいだけなんだ、と改めて強く思い知らされると同時に、彼の中に荒涼をした風景を見た気がして、少しツライ気持ちになったのでした。

Text/大泉りか