今まで彼と過ごした時間を無駄と思わないで

さて、今回の相談でひとつ気になったのは、自身の年齢に対する捉え方について。
あなたは自分の年齢を“もう”24歳だと書かれていますが……いやいや、“まだ”24歳でしょう。
これはあなたがわたしより年下だから言っているわけではないのです。
“もう”24歳という書き方から、あなたは年齢を逆算して自分の人生を考えているように感じました。

もしも、今の彼と別れたとしましょう。きっと最初は新しい恋愛なんてすぐにしようという気持ちにはなれないかもしれません。別れたかなしみが少しずつ薄れていって、新たな恋に目を向けても、すぐに恋人ができるとは限りません。
ご縁があってお付き合いしたとしても、すぐに結婚というのも不安でしょうから、ある程度の期間はお付き合いするでしょう。
結婚したあともしばらくは二人きりの新婚生活を楽しみたい。でも子供がほしいと考えたら、女性にはタイムリミットだってある。何歳までに子供は何人ほしい……。
そんな風に自分なりのライフプランを考えたら、時間を無駄にはしたくないですよね。その気持ちはとてもよくわかります。

少し話が逸れますが、わたしの友達で離婚経験のある女性がいます。
彼女は、付き合っていた頃から彼の価値観や性格に引っ掛かる部分がありながらも、そこには目を背けて結婚しました。
離婚に至った経緯は一言で説明できませんし、当人同士にしかわからないことが多いのですが、主な理由としては結婚前から引っ掛かっていた部分が徐々にエスカレートし、それに付随して他にも受け入れ難い彼の価値観が増えていき、目をつぶれないレベルまで達したからでした。
話を聞いている身としては「それはもう別れたほうがいいね」と思いましたし、決断も行動も早かった彼女のことを、わたしはとてもかっこいいと思いました。

ここまで読んで、中には「結婚前からわかってたのになんで結婚したの?」と不思議に思う人もいるかもしれません。
彼女は、周囲から結婚のプレッシャーがあったわけでも、周りが結婚ラッシュで焦っていたわけでもなく、「30歳前後で子供がほしい」と年齢を逆算して自分の人生を考えた結果、「今結婚しなかったら、それが叶わない可能性のほうが高いかも」と思って結婚したのだとか。
「自分だけが勝手に焦って、ライフプランに沿うことばかりを意識した結果、寄り添えない価値観の人との生活はストレスでしかなかったし、余計に遠回りをしてしまった」というのが、結婚と離婚を経験した彼女の学びだそうです。
「もう年齢を逆算して人生を決めたり、それに沿えなかったからといって焦ることは辞める!」「結婚前に、相手に対して非常識だと思った部分はひとつの警鐘だったな!」と、離婚したあとスッキリした表情で言っていたことを、わたしは今でも覚えています。

あなたが「今回の件も、これまでと同じように擦り合わせていけそう」と思って、彼とこれからも結婚に向けて付き合い続けると言うのなら応援します。
でも、そうではなく、「今まで付き合った時間や擦り合わせた努力が無駄になってしまうから」という理由で、これからも彼と付き合い続けていくのだとしたら、わたしは喜んであなたの背中を押すことができません。
今まで彼と過ごした時間、たくさんの思い出、擦り合わせた努力が無駄だったと思わないでください。
その離婚した友達も、「時間もお金も労力もかかって勉強代はかなり高くついた。でもいろんなことを学んだし、あの経験がなかったら今こういう考えに行きつかなかったと思う」と言っていましたしね。

過去の恋愛は、それがたとえ上手くいこうがいくまいが、無駄になることはありません。
必ず、経験として自分の武器になっています。
小さな価値観の相違ではなく、“あり得ない”とまで感じた価値観を持つ彼と擦り合わせていけるか、そしてその時間はそれこそ別の意味であなたにとって無駄な時間ではないか、一度冷静に考えてみてください。

Text/ものすごい愛
Banner design/saori・tanaka

※現在、多数のご相談をいただいております。
ものすごい愛さんに順次回答いただく予定ですが、隔週掲載となるためお待たせしまうこと、すべてのご相談に回答できない可能性もございます。
誠に恐れ入りますが、何卒ご容赦くださいませ。(AM編集部)

ものすごい愛さんの新刊『今日もふたり、スキップで~結婚って “なんかいい” 』は、大和書房より好評発売中です。