モラ夫に好かれる女性

――モラ夫が好む女性のタイプってあるんですか?

本田先生

あります。モラ夫が好むのは、「俺様にふさわしい女性」なんですね。座談会に参加されていた女性も、学歴が高かったり、きれいな人じゃなかったですか?

――そうです。みんな四大を出て、美人でした。

本田先生

そんな「ハイスペックな女性」のなかでモラ夫のターゲットになるのは、いわゆる「素直でいい人」ですね。モラ夫は、交際当初はターゲットを取り込むためにロマンティックな演出をします。彼のこそばゆいような発言にも「何言ってるの?」なんて言わずに、付き合ってくれる人です。

――まさにいい人ですね。

本田先生

そうです。さらに、気が利いて、優しくて、頼みごとを聞いてくれる、つまり有能で自分を受け入れてくれる女性をモラ夫は好みます。

――普通の人間関係上は長所となることばかりだけど、モラ夫にとっては「都合がいい」んですね。でも、そんな優しい女性がモラ夫を拒絶できるでしょうか。

本田先生

モラ夫と相性の悪い女性になるのもひとつのテです。モラ夫が理詰めでせめてきたとき、「え~なんで?」といちいちひっかかったり、「私はそう思わない」と真っ向から反対したり、コロコロ気が変わったりすると、モラ夫は嫌がります。
理由を説明する必要はありません。むしろ、理由なく「いやだ」とストレートに言ってしまった方がいいかも。

――それなら自分の長所を変えずに、「相性が悪い女性」としてモラ夫のターゲットから外れますね。

本田先生

また、被害者女性は努力家が多く、相手が望む姿になるために、すごくがんばれちゃうんです。過剰適応しちゃう。無理せず、「なんでそんなことしなきゃいけないの?」と素直に思えるといいのですが。モラ夫は自分の言うとおりにしてほしいから、相手に利用価値がないと判断すれば関心が薄れてきます。関係性が深くなる前に気付けばターゲットから外れていくでしょう。

――モラ夫って、どんな女性相手でもモラ夫になるんですか?

本田先生

前の奥さんにはモラハラしてたけど、今の奥さんにはしない、なんてことはないと思います。交際している男性に離婚歴がある場合、離婚理由は一応聞いたほうがいいかもしれないですね。

――でも、自分に都合がいいように話すんじゃないでしょうか。

本田先生

モラ夫にモラハラをしている意識はないので、だいたい「自分が忙しくて家庭を顧みなかった」とか「相手が欝(精神病)になった」など言いますが、自分も同じ道を辿るかもということは一回考えたほうがいいですよね。偏見かもしれないけど、理由を聞くくらいはいいんじゃないでしょうか。
なかには3回も4回も離婚しているモラ夫もいますよ。

――それだけの回数結婚できるなんて、やっぱり一見好条件な男性なんでしょうね。