「頭がよくて優しくて美しくて……」モラハラ男に好かれる女性の条件

モラ夫の予備軍の特徴って?

 前回に引き続き、臨床心理士であり『「モラルハラスメント」のすべて』の著者である本田りえ先生に「なぜ結婚を機にモラ夫となるのか」「モラ夫に好かれる女性像」、そして「モラ夫を撃退する方法」をうかがいました。

結婚を機に変わるのはなぜ?

本田りえ 『「モラル・ハラスメント」のすべて』 モラハラ男
臨床心理士の本田りえ先生

――なぜモラ夫って結婚を機に豹変するんでしょうか。ずっと「いい人」でいてくれたらいいのに……。

H:本当にずっといい人でいてくれたらいいと思います。でも普通の人と一緒で、「慣れてくるにしたがって本性が出る」というのはあると思います。それと、籍を入れることによって、「もう簡単には逃げださないぞ」と確信したから、というのもあるでしょう。そういう意味では結婚とは限らず、転勤で知り合いがいない土地に引っ越したり、子どもが生まれたタイミングで本性を出すモラ夫もいます。

――彼しか頼る人がいない状況ってことですね。

H:そうです。あとは、「おまえの思い通りにはならないぞ」とアピールするため、というのもあると思います。女性は親しい人に「あなたのことわかってるよ」と理解をしめしますよね。モラ夫は、心理的な距離が近くなって自分のテリトリーに侵入されるのを嫌います。だから「突然怒り出す」など予測不能の反撃に出て「お前の手のひらで転がされないぞ」という意味でモラハラをすることもあるんです。

――ええ~。

H:昔「カミナリ親父」なんていましたよね。でも、カミナリ親父が怒る理由は一貫しているので、家族はどんな時にカミナリが落ちるか予測できたし、怒らせないようにすることも可能だった。でも、モラ夫の怒りは正当な理由はなくて些細なことで上げ足を取って、突然スイッチが入ったように怒りだして勝手にヒートアップする。怒る理由はいつも同じじゃないんです。どこに地雷があるかわからないから常にびくびくしなくちゃいけない。

――何が理由で怒るのかわからないと、ずっと顔色をうかがってないといけませんね。

H:巧妙でいやらしい手口ですよね。他にも、相手に決定権を譲って、決めたことを否定する、なんていうのも常套手段です。たとえば、夫婦で呼ばれたお食事会に「何を着ていけばいいかな?」なんて相談すると「そんなこともわからないのか、自分で決めろ」と決定権を譲る。で、用意した服を「おまえそんな格好で行くつもりか!」と責める。

――後だしじゃんけんみたいですね。

H:まさにそうです。彼女が何を選んでも、結局ダメなんですよね。どちらも不正解。相談にもならない。