「どんな下着を穿いてるの?」変態電話が今では激減した理由

先週に引き続き固定電話の話です。まだ幼かった頃、家族と共に住んでいた実家の固定電話には、時折、見知らぬ男性からの架電がありました。たまたまわたしが出ると、はぁはぁとした息遣いとともに、「いま、どんな下着を穿いてるの?」と押し殺した声で囁いてくる。さらに周到な場合は「お父さんのお友達なんだけど……」とまずは邪険には扱えないというプレッシャーを与えた上で、「いくつなの?」「学校楽しい?」「好きな子とかいるの?」「もう生理は来た?」「おちんちん見たことある?」「セックスって知ってる?」と段々ときわどい質問に誘導する、発情した変態からのわいせつ電話です。

そうした電話を受けたときには「変な人から電話っ! エッチなこと言ってる!」と家族に知らせ、「すぐに切りなさいっ! 話しちゃダメっ!」と母が悲鳴をあげるまでがワンセットでしたが、平凡な日常に突如エロ事が入り込んでくるのは、わたしにとっては刺激的で性的好奇心をそそられることでもありました。

変態電話が減った理由

そういった電話があまり掛ってこなくなったのは、ナンバーディスプレイが普及したあたりだったでしょうか。その後、携帯が普及し、今ではすっかり一人一台持つことがベーシックになったけれど、これまで携帯に変態電話が掛ってきたことはないし、周囲の女性からも聞いたことがありません。当然のことですが携帯電話というものは、基本的に発信者の番号が表示されるし、非通知の相手からの電話には怪しんで出ない人も多い。さらに、うっかり男性の番号に掛けてしまう可能性も高い。

一方で、今よりも家父長制度の強かった昭和の頃は、自宅の固定電話に掛かって来た電話を取るのは家事のひとつであり、ゆえに妻、もしくは母の手伝いという名目で子どもが取ることが多かった。なので、変態電話の主にとっては「成人男性が出る可能性が低い」という意味でも、固定電話は掛けやすかったのかもしれません。