姑に「おせちは分担して作りましょう」と言われた結果がホラーすぎる

年末年始は、一年で最も“嫁”であることを意識する月です。というのも、普段のわたしは、義実家を訪ねても、ビールを飲みながらスマホをポチポチといじっている非常に態度のよろしくない<息子の妻>なのですが、さすがに正月に訪問するならば、「何か一品くらいお料理を作って差し入れたほうがいいかしら」と考えたり、「親戚の子どもたちにあげるお年玉の袋を用意しなくては。あっ、いくら包む?」などと夫に相談をしたりと、なんだか嫁々らしい動きをしてしまう。

日本の伝統行事をつつがなく遂行しようとすると、自然と嫁らしい動きをせざるを得ない仕組みが非常に忌々しいとはいえ、正月の料理を作るのも、お年玉袋を用意するのも、しんどい/嫌なのかというとまったくそういうことはなく、豚の肉塊を仕入れて亀甲縛りに緊縛し、醤油とお酒とみりんでコトコト煮るだとか、「わっ、かわい~!」と喜んでもらえるような玉袋……ではなくお年玉袋を用意したりと、細々とした“宴の準備”は意外と楽しい。

無理をして心が削れていくならば放棄したほうがいいけれど、そこそこに楽しめるのならば、「もっと楽しくするには、どうしたらいいか」を考えつつ、積極的に参加したほうが想い出にも経験にもなる。それが“行事”の醍醐味であると思うのです。

本当にあった義実家の怖い話

もっとも義実家の方たちはいい人ばかりで、チャーシューを差し入れると「美味しすぎる!」「天才!」と褒めてくれます。「来年は牛の肉塊をローストしちゃおうかしら」なんて気持ちにもなるのですが、世の中には本当に恐ろしい姑もいるらしく、既婚の女友達が言うには、お姑さんから「お正月のおせちは、分担で作りましょう」と提案され、担当として割り振られた栗きんとんとローストビーフとなますを作っていったものの、義実家にいったら、すでに綺麗に重箱に詰められたそれらがある。

戸惑っていたところお姑さんに「どっちが美味しいか、みんなに食べ比べてもらいましょう」とにっこり微笑まれたそうで、まったくもってホラーとしか言いようがないのですが、さらに恐ろしいのは、また今年も「栗きんとんとローストビーフとなます」を作るように言われているそうなのです。あー怖い! もっともわたしならば、確実に「夫にすべて作らせる」という報復で対抗しますけどね!

というわけで、この連載で、今年もお世話になりました。皆様、楽しいお正月をお過ごしくださいませ。来年もどうかよろしくお願い申し上げます。

Text/大泉りか

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