欲望の対象とされることに興奮を覚える
この気持ちはいったい何なのか。というと、エロを振りかざせば人の注目を集められることに味を占めているんだろうとか、エロで承認欲求を満たすなんて気の毒で痛いとかって分析する人もいそうです。しかし、断じてわたしはエロを手段に使っているつもりはない。
ではなんなのかというと、単純にエロい人だと思われることが快感なのです。「あなたでオナニーをしました」と言われると嬉しいし、その相手のことがちょっと好きにもなる。わたしは、欲望の対象とされることに、ゾクゾクとした興奮を覚える性癖を持っているのだと思います。なので、最近の「他人を消費してはいけない」という流れは少し息苦しい。
そもそも、いくら消費の対象にされたところで、消費なんてされっこないとも思っています。エロい目で見られることは、わたしを満たしてくれることはあれど、何かを奪われることはない。
若い頃はちやほやしてくれていても、年を取ったところで去っていった人たちがいないとは言い切れないし、それを「あなたは若い女であったことを都合よく消費された」と言う人もいるかもしれません。けれど、わたし自身は一ミリのダメージも食らってない以上、その人は「消費をした」かもしれないけれど、わたしは「消費はされていない」。なので、今週末も、破れたデニムを穿いて公園に行くのです。
Text/大泉りか
初出:2020/12/12
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