頭を抱える「結婚祝い」のセレクト問題
徐々に暖かくなり、これから世間は結婚式シーズンを迎える。式を挙げる人、ゲスト双方にとって一大イベントだ。
しかし、そんなめでたい場でありながらいつも頭を抱えてしまうのが「結婚祝い」。友人の新たな門出を祝おうと色々試行錯誤するものの、自分のこのチョイスが空回りしてたらどうしよう……と、贈った後もそんなモヤモヤを払拭できない小心者である。
今までもらった結婚祝いで「これどうやって使おう……(白目)」と思ったものある? と周囲にヒアリングを行ったところ、「大きい陶器の人形(桐の箱入り)」「名入りの湯呑セット」「ダ〇ソーの方が億倍いい仕事するぞというレベルの写真立て」など、なかなかに切ないエピソードの数々が寄せられた。世間ではこんなにも結婚祝いのミスマッチが頻発しているのだ。とはいえ、熟考して贈ってくれたであろう友人の気持ちを慮れば、メルカリで売るわけにもいくまい。
では、海の向こうの皆さんはどのように贈り物をしているのだろうか。わたしが昨年まで住んでいたアメリカでは、結婚するカップルの91%が利用している「ウェディングレジストリ」という便利なサービスが存在する。何かそこから良いギフティング・ティップスは学べないものだろうか。
求めるのはカンタン・オシャレ・豊富なバラエティー
ウェディングレジストリとは、カップルが結婚する際に作成する「ウィッシュリスト」のこと。百貨店や量販店の多くがウェディングレジストリ専門のカウンターを設けていることが多く、そこに新生活に必要なアイテムや欲しいものをリストにまとめ、提出する。結婚式のゲストは、そのリストの中から結婚祝いを選んで贈るので、カップルが欲しいものと実際に受け取るもののミスマッチが起こらない、実に効率的な文化といえる。
さらにインターネットの普及に伴い、多くのウェディングレジストリーサービスがEコマース事業に参入していることから、今アメリカのミレ二アル世代の間では”結婚祝いはネットで”がスタンダードとなりつつある。
中でも、今アメリカのプレ花嫁に断トツで人気のサービスが「Zola」というサービスだ。
Zolaが提供する機能は
・ウェディングレジストリの登録
・招待客のリスト作成と出欠管理
・結婚式のウェブサイト作成
・招待状などペーパーアイテムの購入
・ドレスやアクセサリーなどアイテム購入
といった、結婚式の準備から新生活の始まりまでのトータルサポート。利用は基本的に無料で、小売業と同じく、レジストリやウェディング関連アイテムの売上金でマネタイズされている。
特にいいなと感じたのは、ウェディングレジストリの提携ブランドが“500ブランド以上”と豊富な点。ル・クルーゼのキッチン用品からBOSEのスピーカーまでジャンルもさまざまで、さらにはモノでなく現金や旅行などをリクエストできる機能もある。高額なアイテムに対しては、ゲスト同士で割り勘して贈り物ができる制度もあり、貰う人、贈る人双方にとっての使いやすさが追求されている。
さらに、「とりあえずリストに登録したけどよく考えるとやっぱり必要ないかも……」というアイテムを贈ってくれたゲストに知られることなくこっそり返品・交換も可能だという。加えて送料無料、カスタマーサポートの手厚さにも定評アリといったあたりが、人気の理由だ。
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