『沈まぬ太陽』ロケ地、美しい純喫茶「ゆうらく」の頼もしい後継者

ふと立ち寄れる魅力がある純喫茶ですが、その経営には様々な困難が。みんなの憩いの場「ゆうらく」が今もなお続けていられる理由とは。

 少しずつ秋を感じる瞬間が増えてきたこの頃。皆さまはいかがお過ごしでしょうか?
日が暮れるのが早くなりましたが、心地良い気温の夜が嬉しく、ついどこまでも散歩したくなります。

 そんな時に、ふと立ち寄れる純喫茶の存在はとてもありがたいもの。しかし、昔ながらの純喫茶は年々その姿を消していくという悲しい現実が。その理由として多いのは、「店主の高齢化」「建物の老朽化」「安価なチェーン店の増加」「後継者の不在」などです。

 純喫茶を愛する者として、好きな店に足繁く通うことくらいしかできず歯痒いばかりですが、自分が暮らす街の純喫茶に通う方が増えることによって、その地域に根付いた純喫茶は長く続いていくのではないかと考えています。

 さて、今回は、閉店のきっかけになりうる懸念事項の1つ「後継者の不在」に対する不安を吹き飛ばしてくれる浅草橋の純喫茶を紹介します。

初代マスターから引き継いだ「純喫茶」の思い

浅草の純喫茶「ゆうらく」の画像

 場所は、JR総武線「浅草橋駅」、もしくは都営浅草線「浅草橋駅」から徒歩数分。この辺りは人形問屋街として知られ、周囲には「人形の久月」など有名な店舗が立ち並びます

浅草の純喫茶「ゆうらく」の画像

 「ゆうらく」と記された艶めかしく光る黒いガラスの扉を開けたなら、想像よりもずっと素敵で、一度訪れた人を惹きつけて離さない魅力のある空間が広がっているのです。

浅草の純喫茶「ゆうらく」の画像

 初代マスターと奥様が長い間店を守り、現在も店頭に立たれていますが、数年前からそこには頼もしい方が加わりました。それは、ご子息の宮城さん。

 今から7年程前。当時会社員をしていた宮城さんは、初代マスターの思うようにいかなくなった純喫茶経営に対する不安な気持ちを聞いた時に、「自分がこの店を続かせていかなければ」と決意されたそうです。

 初代マスターが築いてきたことを大切に守りつつも、こちらへ訪れる人たちのことを大切に考え、ランチには安価な日替わりメニューを食べられるようにするなど新しい工夫を次々に取り入れています。