コロナ禍もChatGPTも、誰も想像していなかった

コミュニティのボスであるカラマ氏は言う。「誰が将来役に立つかなんてわからないさ。なぜなら未来は誰にもわからないからだ。(中略)大切なのは仲間の数じゃない、[タイプのちがう]いろんな仲間がいることだ(p86)」と。私は、このボスの言葉にとても共感してしまった。

未来はわからない。コロナ禍も、ChatGPTも、ジャニーズがいない紅白も、5年前は誰も想像していなかったはずだ。そんなとき、誰がどう役に立つか、誰がどう自分を助けてくれるかはわからない。だから、社会にはいろいろな人がいたほうがいいし、できれば自分自身も、いろいろな人と付き合ったほうがいいのだと思う。

今専業主婦でいる誰かは、5年後はバリキャリのシングルマザーになっているかもしれない。今一人暮らしでいる誰かは、10年後は友達5人とその子供たちと同居して疑似大家族のビッグママになっているかもしれない。属性や社会的なステータスは、いつどう変わるか誰にもわからない。状態はこれから、良くなるかもしれないし悪くなるかもしれない。そう考えるのは不安かもしれないけど、本書を読んでいると、不思議と「だからこそ、希望がある」という感覚になれる。私は独身の一人暮らしだが、窮地に陥っても「誰か助けてくれるんじゃないかな〜」となんとなく思っているし、自分も、役に立つ場面があれば誰かの助けになりたい。

手前味噌だが、「私、今いいコミュニティにいるな……」と改めて実感してしまった。同じ属性の人としか仲良くなれないなんて嘘なので、今これを読んでいるアラサーの女性がいたら、そんなに怖がらないでほしいなと思う。

Text/チェコ好き(和田真里奈)