恋愛の過程は完全無視！アスペルガー症候群の弟が兄の恋人探しに奔走『シンプル・シモン』

　人は誰でも嘘をつきます。大丈夫じゃないのに「大丈夫」って言ったり、逆に、大丈夫なのに「大丈夫じゃない」って言ったり。
恋愛の場面で嘘は散りばめられる。多くの人はその嘘の裏側を探ろうともがいてしまう。

　でも、シモンは嘘をつかない。その分、相手の感情が全く理解できない。嘘が理解できないから、この世の真理しか言わない。人の気持ちが分からない彼が、どうやって兄の恋愛を応援する？
変化を極端に嫌う、シモンの日常を覗いてみましょう。

　2011年、アカデミー賞外国語映画賞のスウェーデン代表に選ばれ、あらゆる映画祭で絶賛された本作がついに劇場公開。25才にして長編デビューとなった新鋭アンドレアス・エーマン監督が描くのは、アスペルガー症候群の主人公という今までありそうでなかったキャラクターです。
主人公・シモンをビル・スカルスガルド、その兄をマッティン・ヴァルストレム、兄の恋人候補をセシリア・フォッシュが演じ、魅力的な登場人物たちが北欧デザインのカラフルなインテリアやファッションに包まれ、スウェーデン・ポップにのせて爽やかに物語を彩ります。

　【簡単なあらすじ】
　シモン（ビル・スカルスガルド）はドラム缶“ロケット”の中で宇宙を夢見る。気に入らない事があればそこで空想し、自分の殻に閉じこもる。
両親の耳も貸さない彼が唯一信頼しているのは、兄のサム（マッティン・ヴァルストレム）。アスペルガー症候群のシモンに何があっても優しく接するサムだが、シモンが原因で恋人と別れてしまう。
落ち込み、自暴自棄になるサム。それによってシモンは自分のペースが乱されてしまい、サムに“完璧な恋人”さえいれば、生活が元通りになると思ってサムにふさわしい恋人探しの旅に出る。
そして、道で偶然出会った天真爛漫なイェニファー（セシリア・フォッシュ）を恋人候補としてオファーし、ある計画を実行する……。