雨の降るパリにて恋のタイムスリップ『ミッドナイト・イン・パリ』

 さまよい歩いていたら突然、1920年代にタイムスリップ! まるで魔法をかけられたような恋の物語が誕生しました。
コメディ映画の巨匠ウディ・アレン監督がメガホンを取る本作は、彼の監督生活47年、監督作42本目にして、自己最高の興行成績を記録。
更に、本年度ゴールデン・グローブ賞とアカデミー賞の両方で脚本賞を受賞しました。
遊び心たっぷりのユーモアを詰め込み、とびきり素敵な大人のおとぎ話のような世界を見せてくれます。
『ダージリン急行』のオーウェン・ウィルソン、『コンテイジョン』のマリオン・コティヤール、『バレンタインデー』のキャシー・ベイツといった個性豊かな出演陣が、真夜中のパリを楽しく、ロマンチックに彩ります。

 2010年、ハリウッドの売れっ子脚本家ギル(オーウェン・ウィルソン)は、婚約者イネズ(レイチェル・マクアダムス)と憧れの街パリにやって来た。それなのにどこか満たされない彼は、現実逃避気味にボヘミアンな人生を夢見ている。
ある夜、ギルは0時を告げる鐘の音に導かれ街にさまよい込む。すると目の前に黄色いプジョークラシックが現れ、なんとはなしに乗り込むと、その先はなんと芸術&文化が花開いた1920年代だったのだ!
タイムスリップ…?これは夢なのか…!? 
驚くギルの前に、次から次へとヘミングウェイ、フィッツジェラルド、ピカソ、ダリといった偉大な芸術家たち、そしてピカソの愛人である官能的な美女アドリアナ(マリオン・コティヤール)が現れる。
彼らと文学論争を交わし、彼らに自身の脚本を読んでもらうというような、刺激的で夢みたいないくつもの夜を過ごすギル。
そして、彼はイネズがいるにも関わらず、次第にアドリアナに惹かれていく…やがて5度目のタイムスリップを終えたとき、彼が下した人生を左右させる大きな決断とは――?

 たくさんの著名な文化人が現れるのが楽しく、パリのサロンや芸術に興味がある人にとっては、本当に魔法のような作品に感じられるでしょう。
アドリアナとのロマンチックな恋の逃避行(現実逃避?)にキュンとさせながらも、ところどころにウディ・アレンらしいジョークが散りばめられています。
そして誰もが憧れる街・パリを舞台にしているからこそ、そのロケーションを存分に楽しめるはず。
ウディ・アレンがパリに魅了されていることがこれでもかと伝わってくるような、パリの美しい風景が次々と映し出されます。
セーヌ河岸やオランジュリー美術館、ジヴェルニーのモネの庭園に、ヴェルサイユ宮殿…彼と一緒に雨の降ったパリの風景に恋をしてしまうことでしょう。

5月26日(土)より新宿ピカデリー &丸の内ピカデリー他、全国ロードショー

監督・脚本:ウディ・アレン
キャスト:オーウェン・ウィルソン、レイチェル・マクアダムス、キャシー・ベイツ、マリオン・コティヤール、エイドリアン・ブロディ、マリオン・コティヤール
配給:ロングライド
原題:Midnight in Paris/2010年/アメリカ=スペイン映画/94分
公式HP:www.midnightinparis.jp

Text/Michihiro Takeuchi