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  • 2015.04.19

「動物のSEX」から学ぶ、恋愛や結婚は命がけの戦争であるという自然の摂理

動物の世界では相手の気を惹くために、時には他のオスやメスとの競争や、命をかけるような決闘があったりします。これは人間の世界でも同じこと。人生のパートナーを探すのは辛くて大変なことであり、手に入れるためには命をかけるほど努力が必要なことでもある、ということです。

優秀な異性を自分のパートナーにするための本能

中村綾花 AMパリ支局がお送りする 結婚と幸せの方程式 フランス 純愛
Kieran Palmer

 パリはようやく春の陽気に突入し、冬とはうってかわって人々が陽気なのがわかります。私の上の階に住む若い住人もヒップホップ・ミュージックをガンガンかけて、友人を大勢呼んで毎晩のようにパーティー三昧。活動的になるのはいいけれど、音が響きやすいパリのアパートでそれをやられると、下の住民(私)はノイローゼになります。いや、本当にまいった。

 春で活動的になっているのは上の住人だけじゃありません。休みの日に晴れたりなんてすると、どれだけ大きな公園でもパリジャンで大渋滞。芝生のグリーンより、パリジャンの方が多いなんて景色が見られるのです。

 パリの冬を一度でも経験してみると、その長さ、寒さ、しんどさに、春が本当に待ち遠しく感じられます。ようやく春がくると、それまで縮こまっていた羽を思いっきりのばし、太陽の光を浴び、しみじみと生きていることを感じられる瞬間があるのです。

 こうした自然の変化に左右される時こそ、私たち人間は生き物なんだなと実感します。

 先日フランスのテレビで、フランスの動物のドキュメンタリー番組を放送していました。どの動物も大自然の中で生きるか死ぬか、のサバイバルの毎日。中でも、なかなか興味深かったのは、オスとメスの出会いのシーンでした。

 優秀なメスとオスの出会いには、相手の気を惹くために、あれやこれやと作戦が繰り広げられていること。また、時には他のメスやオスとの競争や、命をかけるような決闘があったりする。

 このたくましい動物たちの生き様を見ていて、人間の自分を振り返った時、なんだかとても恥ずかしくなったのでした。

 というのも、私は男の気を惹こうと化粧をしたり、自分の本当のキャラクターを変えてでも、気に入られるように振る舞ったりする女性を毛嫌いしているのですが、これは優秀な異性を自分のパートナーにするための本能的な作戦であって、ごく自然の摂理に合ったことをしている、と分かったからです。

 自分ができないことを、あっさりとやってのける他の女性がうらめしいからこそ嫌っていたことですが、ひねくれた見方をしてしまっている人間の自分に気がつきました。

「愛と生命を勝ち取る」、という自然の摂理

 恋愛や婚活は、そもそも「自分で出会いの場に出向き、相手を探す」という、生き物が次の生命をつなぐための自然な過程の一つ。それを人間の理性があれこれ、こねくりまわして複雑にしてしまっている気がします。
そもそも、人生のパートナーを探すのは辛くて大変なこと。簡単には見つからないし、手に入れるためには命をかけるほど努力が必要なことでもある、ということを、人間と同じ動物たちから教えられた気がしました。

 ちなみに、今から2年程まえ、パリの有名な美術館で「動物のSEX」をテーマにした展示会が開催されていたことがありました。もちろん私も訪問したのですが、動物たちのSEXの模型や映像が詳細に、そして一覧に展示されているのに驚きました。

 それだけでなく、学校側が授業の一環として小学生や中学生を連れて来ているのにも驚きました。子供たちは展示の隅々を見て回り、デッサンメモを取るというミッションが科せられているようでした。

 さすがフランス。日本であれば、両親といっても一緒に凝視できないような展示ばかりなのですが、学校側が奨励して子供に学ばせているという…。こうして動物も、人間も「愛と生命を勝ち取る」、という自然の摂理を子供の頃から学ばせてくれれば、大人になったときのための準備もできていることでしょう。
日本の子供達こそ必要な学びだとも思いました。いや、日本の大人にこそ必要なのかもしれません。

Text/中村綾花

ライタープロフィール

中村綾花
ラブジャーナリスト/ライター。

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