【体験レポ】アプリにまともな出会いはある?彼が経営するカフェに訪れた話

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カフェでマッチングアプリで出会った男性を待つ女性]

私はかねてから、「マッチングアプリにも良い男はいる。だけどそんな相手を見つけるのは、合コンで見つけるよりも、多分うんと難しい」と、提唱している。

なんといっても、マッチングアプリは、男性があなたに声をかけるまでのハードルを、とんでもなく低くする。

例えば友人の紹介なら、頼む手間や人間関係、ナンパや合コンであれば、場をセッティングし、あなたの顔色を伺い距離を縮める必要がある。

これらのタスクは、想像以上にめんどくさい。だから彼らはむやみに平行して口説いたり、浮気や不倫も、進んでは行わない。

さて、一方で、マッチングアプリは、なんと時間もお金も、勇気もプレッシャーもいらない。
彼らは散らかった部屋の中、パンツ一丁の状態で「こんにちは、よかったら飲みに行かない?」なんて誘い文句を、たった数秒で、何人もの女性に送信することができるのだ。
「相手を調達する」という一番難易度が高いリスクを一瞬でクリアしてしまう。

だからこそ、マッチングアプリにはクズ男が溢れている。

「マッチングアプリで良い男を探す」のは、決して不可能ではない。

だけど理解しておいてほしい。
多分それは普段道ですれ違う男性の中から良い男を探すよりも、うんとうんと難しいのだ。

さて、今回そんな難易度の高いマッチングアプリのレビューを頼まれた。正直、腰が重い。それに、普段からそういった類のレビューはお断りしていた。私がマッチングアプリに否定的な意見を持っていたからだ。

だけど今回の『ワクワク』の依頼は、そんな私がちょっと驚くような依頼内容だった。

「実際に会ってきてください」「率直な意見を書いてください」

私自身、アプリを使用したことはあったが、真面目に相手の男性を見極めるために使用したことは、一度もない。それでも連日私のもとには、「マッチングアプリでの出会いってどう思いますか?」とか、そんな内容のメッセージが、たくさん届くのだ。

責任を持って回答するためには、自分で経験するのが一番だと思った。

素敵なカフェへのお誘い

さて、さっそく『ワクワク』に登録した私の元に、何通かのメッセージが届く。

因みに私は現在沖縄の田舎に住んでおり、他のマッチングアプリでは圧倒的に出会える人数が少ない。東京にいたときには選り取り見取りだったのが、この場所で登録すると、ぐっとメッセージの数が減るのだ。

その点、この『ワクワク』の場合、登録してすぐにメッセージが何通か来たということから、登録者が少なくはないということが判断できる。

しかし、メッセージが来たからといって、イコール出会いがあるというわけではない。
正直、これではレポートにならないと憤慨しそうなメッセージも届いた。ああ、男ってのは本当に……。

登録して3日が経った頃、一通のメッセージが届いた。 海老蔵(仮名)からだった。

「プロフィール読みました。那覇(仮)でカフェを経営しています。良かったら、今度遊びに来ませんか?コーヒーをごちそうします。」

私より5つ年上の、うーん、強いて言うなら、市原海老蔵似。
でも、貼られている写真はどれもちゃんとイケメンだったから、ちょっとだけテンションがあがった。

もともとマッチングアプリには、良くて「恋人」多くは「セフレ」を探すために登録している男性が多い中、私のようにセックスを前提としない関係を本当の意味で理解して連絡をくれる男性は少ない。

飲みにいきましょう(その日にセックスしましょう)
夜の海にドライブにいきましょう(その日にセックスしましょう)

ああもうばかものめ。君らは色気ってものを理解していない。

話は逸れてしまったけれど、ともかくこの男性は他と違って、「ランチタイムに自分が経営しているお店(ひらけたカフェ)に呼ぶ」という、

「会って気持ち悪い人だったら二人の時間をどう過ごそう」
「相手の好みではなくて、冷たい態度を取られたらどうしよう」

という不安を除去してくれるお誘いの仕方をしてくれたので、なんとなく、「ああ、この人に会ってみよう」と、素直にそう思えたのだ。

何通かメッセージをやりとりして、彼も私と同じく移住者であることが発覚する。

「僕はもう沖縄に移り住んで5年になるんですけどね(笑)カフェには詳しいので、いつでも情報送りますよ。」

「ありがとうございます。」

「僕のお店のURLを送っておきますね」

送ってこられたカフェは想像よりこじんまりとしていたけれど、こだわったインテリアグッズが散見される、素敵なお店だった。

「コーヒーにこだわっていらっしゃるんですね」

私はお店のホームページを眺めて、かわいいパッケージに包まれたオリジナルブレンドのコーヒー豆を見つけた。あいにく私はコーヒーより紅茶派だったのだが、それでもそのかわいいパッケージには、心惹かれるものがあった。

「そうなんですよ!コーヒーの話をすると面倒くさくなるので…(笑)また、お会いした時に!」

なんとなく、微笑んでしまう。
「仕事の話をすると面倒くさくなるので」それは、私の口癖と同じだった。

メッセージのやりとりを初めてちょうど一週間が経った水曜日、私は彼が店主を務めるカフェに、足を運んだ。