クリスマスの呪縛から逃れる(2)

 コラムニストの犬山紙子さん、漫画家のまんしゅうきつこさんのお二人を迎えての対談です。
第1回に続き、クリスマスの思い出についてお聞きしました。

クリスマスに一番楽しい自分でいなきゃという強迫観念

犬山紙子 まんしゅうきつこ クリスマス 悲しい 思い出

犬山:育ってきた環境や過去の経験などが関係して、クリスマスへの期待値が変わってくると思うんです。 私の家はお小遣いが少なかったんですけど、クリスマスだけは好きなものを買ってもらえるので、期待値がものすごく高かったんですね。
「クリスマスだからなんかもらえる」「クリスマスだから楽しいことがある」と、パブロフの犬みたいに刷り込みがあって
だから、今でもクリスマスが近くなると、「楽しいことが起こる日なのに、私には何もない」って思ってしまって結構辛かったんです
まんきつさんはクリスマスに何もなくても全然辛くないじゃないですか。

まんきつ:確かに。私の中ではクリスマスや記念日は「平日だから何もなくて当たり前」だけど、期待を持ってしまうとすごく辛いかもしれない…。

─まんきつさんのお家のプレゼントはどうだったんですか?

まんきつ:普通にプレゼントは置いてあったんですけど…。

犬山:自分が欲しいって言ったやつ?

まんきつ:欲しいって言ったやつじゃない。親が勝手にチョイスした、自分の趣味とは全く真逆の変なオルゴールとか…毎年オルゴールなんですよ。変なアンティークの…完全に母親の趣味ですね。

犬山:オルゴール一番いらない(笑)。童話とかでオルゴールを大事にしてた子供のエピソードとかあるけど外国の子供の感覚だよね。あれのせいで刷り込まれた親が買ってきて、何人の子供が犠牲になったことか…。