価値観が変わるほど辛いクリスマス…

犬山紙子 まんしゅうきつこ クリスマス 悲しい 思い出

犬山:そういう家庭環境とかもあって、もう本当に子どもの頃からクリスマスって最高に楽しいものっていう刷り込みがあったんですけど、3年ほど前にその価値観が変わるほど悲しいクリスマスを体験したんです…。
まず、クリスマス直前で振られ…。でも、「クリスマスはディズニーシー行こうね」と約束していたので諦めがつかなくて、振られているのに「ディズニーシーは行きたい」と言って、ディズニーシーに行ったんです。クリスマスにディズニーなんか楽しいに決まってるから、その楽しさで惑わされてよりが戻るんじゃないかって期待もしつつ

でも、行ったはいいけど土砂降りで、しかも具合も悪くなっちゃって…。めっちゃ寒い中、フードコートで3時間ぐらい、寝た…。
一緒にいるのに「彼は別に私のこと好きじゃない…」と思うと、すごく切なかったですね。 最後、お土産にダッフィーを無理やり買ってもらったんですけど。カバンに付けたと思ったら、落ちていて、雨でぐしゃぐしゃになって…。しかも気づかずに自分で3回くらい蹴り飛ばしていました。

─雨に打たれたダッフィー…。グッショリですよね。

犬山:濡れそぼった犬のようでしたね…

まんきつ:私、実はこの時の話をリアルタイムで聞いて知っているのだけど、あの時の犬山さんは本当にボロ雑巾のようになっていたよね。もう右往左往という言葉以外見つからないくらいに…

犬山:「なんなんだろう、このクリスマス」って。華やかなところに行ったほうが余計悲しさが募りますよね。

そこで思ったのが、自分が追いすがっている状況で無理矢理楽しいことしようとしてもいいことは起きないな、ってことです。
彼氏のいないクリスマスなんてって思っていたけど、こんな悲しい思いをするなら、もう女だけで過ごしたほうがいいなと心から感じられて。
で、その次の年に女だけ集まったら、ちゃんと楽しくて、私は強迫観念から許されたような気持ちになったんです。

【次回に続く】
次回は「二人の理想のクリスマス」についてのお話です。お楽しみに!

Text/AM編集部

犬山紙子
1981年生まれ。エッセイスト。2011年、美人なのになぜか恋愛がうまくいかない女たちの悲惨で笑えるエピソードを描いた イラストエッセイ『負け美女』(マガジンハウス)でデビュー。その後は「負け美女研究家」としてテレビ、雑誌、ラジオなどの各種メディアで活躍。現在『週間SPA!』『Gina』などでコラムを連載中。
ブログ:犬山紙子のイラストエッセイ 負け美女
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まんしゅうきつこ
漫画家。友人である「東京都北区赤羽」の作者、清野とおる氏のすすめではじめたブログが一躍人気に。以来、雑誌、WEBメディアで活躍中。
ブログ:まんしゅうきつこのオリモノわんだーらんど
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