本気になる前に!この世に存在する3種類のヤリチン/ファーレンハイト書籍先読み(4)

「これからの『本当の恋愛』の話をしよう」連載で女性からの支持が高いファーレンハイト、改め、桐谷ヨウさん初の書籍『仕事ができて、小金もある。でも、恋愛だけは土俵にすら上がれてないんだ、私は。』の発売を記念して、独占先読み企画が実現しました!

2月26日より大好評発売中!の本作、是非こちらで試し読みをしてみてください。

それでは、第4回目の先読みをどうぞ!

この世界には、3種類のヤリチンが存在している!

ファーレンハイト 桐谷ヨウ Henrique Yasuda_2

ヤリチンの定義は曖昧だけど、「すぐに女性とセックスしようとする人種」と考えると分かりやすい。

彼らの行動特性の根拠となる動機は何だろうか。
俺が自分自身や、身のまわりを振り返ってみると、3種類のヤリチンが存在していることが分かった。

パターン①:「僕のことをもっと愛して」ヤリチン

自分を愛してくれる相手を求めるがゆえに、「受け入れてくれるのマックス状態」である「セックス」を志向する人種。

おそらく太宰治はこの手のヤリチンだったのでは? と俺は思っている。

本質的には、相手に対する興味がないがゆえに、自分を愛してくれるところが見受けられない、もしくはもっと愛してくれそうな他人がいた場合には簡単に違う女に走る。

厄介なことに彼らは「母性本能をくすぐるタイプ」であり、甘え上手でもあり、一部の女性たちが彼らに強烈に引き寄せられてしまうのだ。当然、多くはマザコン。

パターン②:「穴だけあれば良いサイコパス」ヤリチン

彼らは捕食者だ。

自分以外の感情と利益には興味がなく、おまけに社交家であり、多くの場合は口が達者で、魅力的に振る舞う術に長けている。相手の印象を操作するのが抜群に上手い。

そして、良心と共感性が欠如している。
端的に言えば、“人を人と思っていない”言動を取るタイプ。内田春菊さんの漫画『こんな女じゃ勃たねえよ』に登場する主人公はズバリこれ(一度、読んでみることをオススメします。胸くそ悪くなりますが。)。

本当に魅力的な人との区別を初期段階でつけるのが難しく、ヤバイと察した時にいかにスムーズに離脱できるかが鍵。そのためにも特徴を知っておき、身近な人で傾向がある人をチェックする訓練をしておいて損はない。

パターン③:「疑似恋愛体質」ヤリチン

自分を愛してもらうためだけではなく、また、自分の利益のためだけでもなく、相手のことはそれなりに考えている。
実際に人としてもやさしいタイプ。

ただし、誠実かと言えばそうではない。擬似恋愛感情を向ける相手は1人ではないし、それぞれに他の存在をオープンにしているとは限らない。
もっと言えば、彼女をオンリーワン(絶対的な存在)ではなく、ナンバーワン(相対的に一番)だと捉えている傾向がある。

さしあたって害は少ないが、女性側が本気になってきた時に別れ道が来る。その時、本命として交際してもらえた場合は良いが、はぐらかされて恋愛感情を担保に、女性が消耗しながらも会い続けてしまうケースだとまずい。
あくまで「疑似恋愛」であることを女性側も認識しておく必要がある(恋愛気分をエンジョイする相手としてはオススメである)。

なお、当然これらの複合パターンもあるため、刮目して判断していただきたい。とはいえ、他人は変えられないので「好きにならない」のが一番の自衛だし、もし関わってしまった場合には「自分にとって都合のいい付き合い方をする」か「すぐに離脱する」しかない。

間違っても本命にしてしまってはいけない。

一番、危険なのは自分の愛で彼が変わるとか、努力をすれば状況が改善するという錯覚をしてしまうことだ。それで本当に変わる可能性がある人はまずいない。

自分が消耗する前に逃げよう。注力する対象はそこじゃないから。

Text/桐谷ヨウ