大多数の男性は女性から「風景扱い」された過去を持つ/ファーレンハイト書籍先読み(2)

「これからの『本当の恋愛』の話をしよう」連載で女性からの支持が高いファーレンハイト、改め、桐谷ヨウさん初の書籍『仕事ができて、小金もある。でも、恋愛だけは土俵にすら上がれてないんだ、私は。』の発売を記念して、独占先読み企画が実現しました!

 2月26日の発売が待ち遠しくなる、盛りだくさんな内容でお送りいたします。

 それでは、第2回目の先読みをどうぞ!

思春期のコンプレックスをそのまま温存する男子

ファーレンハイト 桐谷ヨウ Dane Lehman

「スクールカースト」という言葉をご存知だろうか。現代の学校という空間において自然発生する“序列”を表現した言葉だ。
諸説はあるけど、なんとなく発生するグルーピング、およびその上下関係と言える。

 要素としては、
・異性から人気があるか(何をやっても好意的に受け取られる!)
・容姿が恵まれているか(クラス・学年における顔面偏差値ランキング……)
・ファッションセンスがあるか(学ランを良い感じに着崩している)
・話題の中心になれるコミュニケーション能力を持っているか(場を掌握できるか? 話が面白いか?)

などなど。個別に存在するのではなく、これらは複雑に絡み合っている。

 それに関する「是非」「いじめの温床になっている事実」「キャラ獲りゲームの悲哀」については本筋ではないので言及しない。

 ただ、多くの人が実感していたように、ゆるやかで「なんとなく」の評価は学校という閉鎖的な環境 −高校を卒業するまで多くの人にとっては世界のすべて− にたしかに存在して、空気を支配していたんじゃないだろうか。
学校およびクラス内でなんとなく「上位」もしくは「下位」にいる人、というヒエラルキー構造が。

 男性が女性にビクビクしてしまう原因はここにある。

 ほとんどの男性は女性から「風景扱い」されてきているからだ。

 中高時代を思い出してほしいのだけど、1クラスの半分、20名のうち女子から人気があった男子は多くても3名まででしょう。

 つまり上位15%程度が女子からチヤホヤされ、それ以外の大多数、つまり「その他」に分類される男子に関しては「異性として見向きもされていなかった」と言える。
「友だちとして普通に喋る」ならばもう少しいただろうけど、それはそれで「自分は女子から“イケてる異性”の仲間入りができていない」ことを確認させられてきたと言える。

 つまり、圧倒的多数の男性は「自分は女性を惹きつけることができない側の人間」という自意識を引きずる傾向があるのだ。
幸いにも高校・大学・社会人のいずれかの時期にデビューすることで、ヒエラルキーを逆転することができた人(上位に行かなくても女性に対する社交術を身につけた人)は、自意識を覆すことに成功する。

 しかし、一念発起しなかった多くの人たちは思春期のコンプレックスをそのまま温存してしまうのだ。

 当然、女性にも同じことが言えるけれど、比較的女子のほうが大学デビューにスムーズに成功する傾向がある。
これは良くも悪くも恋愛は男性から女性へのアプローチがメインストリームであるため、女性側は積極的に恋愛術的社交スキルを身につける必要性が少ない(=感じ良く接するだけで成立してしまう)ことも影響していると思われる(求愛される性別の優位性)

 俺自身の場合は少し特殊で、自分の高校では特段モテることはなく、サークル活動で知り合った他校でモテたクチ(初対面に強かった)だった。逆に、もしこの他校における実績がなければ、女性関係の自己評価がガラリと変わっていたように思える。

 ここまでをざっくりとまとめると
「女性が思っている以上に、大多数の男性は、女性に堂々と振る舞うことに慣れていないヘタレ気質」
ということだ。

 女性に承認欲求を満たしてもらおうとする男性(こんな僕を好きになって! 系)を擁護する気は一切ないけれど、1つの事実として押さえていただけると男女間のコミュニケーションがスムーズになる気がしている。

Text/桐谷ヨウ

【前回までの記事はこちら】
・【第1回】恋愛の本質は「男に選ばれる女になろう」ではない