性欲スイッチは切り替わらない
「先に身体を切り替えれば、思考も切り替わる」の法則は、悲しいかな性欲には該当しないんですよね。
昨年、「セックスの限りを尽くしてきたので、しばらくはノーサンキュー」という、性欲オフ状態に突入し、かれこれ1年以上経つ筆者。しばらくノーサンキューといっても、時々はするんですけどね。
感覚的には、現役引退したアスリートが、身体が鈍ってしまわないよう、時々は身体を動かすようなイメージです。
時々セックスすることで、思考も切り替わるかと思いきや、ちっとも切り替わらないのですよ。時々セックスしたところで、「ああ、やっぱりセックスって楽しいなぁ」「もっともっとセックスしたい」とは思わないのです。
性欲のオンスイッチは、先に身体を動かしたところでムダと判明しました。思考が切り替わるのを待つしかないようです。
こんなふうに考えると、物心ついたときから、ずーっとオンのままな筆者の「食欲」って、ある意味すごいなぁと。「食べることが大好き」って思考は、なぜかオフにならないのです。食いしん坊ばんざいとは、まさにこのこと。
筆者の食欲が常にオンであるように、 性欲が常にオンの人もいます。
筆者の男友達に、四十路を迎えてもなお、1日5回の射精が可能なオン男子がおりまして。彼の辞書には、「年齢と共に性欲が落ちてきた」などという文字はないようです。
彼には、「こんなにも性欲旺盛な俺って大丈夫か?」という不安は一切ありません。むしろ、「四十路を迎えても性欲旺盛な俺って素晴らしい!」と、誇りにすら思うとのこと。
食欲には、「太りやすい」という不安が伴います。「肉は脂身が一番!」と思っている自分に、誇りは持てません。
そう思うと、不安が伴わず、かつ誇りを持てる「性欲」こそが、三大欲求の中で1番健全かもしれないと、思った次第です。
Text/菊池美佳子
初出:2016.08.08
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