先のことを不安に思うより

話を戻しましょう。筆者が主張したいのは、柿ピーの美味さではなく、「セックス翌日は、余韻を楽しむ日」だということ。セックス翌日は、日課の雑巾がけも排水溝掃除も、普段と全然違います(※見かけによらず掃除マニアな筆者は、毎朝1時間かけて家中を掃除するのが日課なのです)。床に這いつくばって雑巾がけしていると、普段の我が家ではありえない量の「毛」がたくさん落ちています。お風呂場の排水溝も然り。自分の長い髪の毛に、短い毛が混じっています。「嗚呼、男性とは毛がたくさん生えている生き物なのだなぁ」と、男と女の違いを再認識できます。男と女は違うという実感を得ることで、思い通りの言動をしてくれない男性に対して、「まぁ、しゃーない。なんてったって違う生き物なのだから」と、良い意味で諦めがつくんですよね。

ゴミ捨ても然り。最近はゴミ袋も有料なので(※筆者宅最寄りのスーパーマーケットではMサイズ2円、Lサイズ3円です)、基本的にはゴミ袋が満杯になってから捨てるようにしています。が、さすがにセックス翌日はそういうわけにもいきません。なんてったってゴミ箱には、たっぷりの精液が入った使用済コンドームのティッシュ包みが入っておりますからね。というわけで、ゴミが少ししか溜まっていなくても、ゴミを捨てに行くのですが。ゴミ袋を結ぶ際に、「ゴミが少ししか溜まっていないゴミ袋って結びやすいなぁ」と感心したりします。感心しながら、例の如く、「昨夜の私はセックスをしたのだなぁ」と、余韻に浸るのです。

掃除とゴミ捨てを済ませた筆者は、日課のジョギングに出るのですが、ジョギング時にも「余韻」は訪れます。筋肉痛です。毎朝8キロ走っている筋肉熟女な筆者に筋肉痛が起きるなんて! セックスって、普段使わない筋肉を使う行為なのだなぁと実感。そして例の如く、「昨夜の私はセックスをしたのだなぁ」と、余韻に浸るのです。

セックス後の女性って、「次はいつ会えるのだろうか?」とか、「まさかこれっきり連絡がないのでは?」など、先のことばかり考えがちです。そうではなく、余韻に浸るほうが、風情があるような気がします。

Text/菊池美佳子

初出:2016.03.07