恋愛やセックスは孤独を満たす道具じゃない

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 思春期にウォークマンで毎日聞いていたヒット曲が懐かしくって、気持ちだけでも青春時代にタイムトリップしようとYouTubeで聴き漁ってみると、ビックリするくらいどの曲も「寂しい」と連呼していた。
華原朋美はくじけそうな姿を窓に映してあてもなく歩くし、浜崎あゆみは居場所がなかったし、宇多田ヒカルに至っては君に会えないとmy rainy daysなのよ。

 J-POPは寂しい曲だらけなのか、そういう曲ばかり好んで聴いていたのかわからないが、周りが全員敵だと思っていたトゲトゲしい十代前半の自分にとっては共感できた歌詞だったんだろう。
最近になっても西野カナが会いたくて会いたくて震えているわけだから、孤独を感じている人は減っていないのかもしれない。

 先日、トロントの高校生向けに恋愛講座をやっていたら、孤独感と葛藤している若者とたくさん出会った。
自分とは生きている時代も文化も違っていながら、彼らが抱える悩みは自分のとそう違わなかった。
一人の女の子は、独り身でいることに耐えられなかったことを話してくれた。彼女は一つの恋が終わると、休む間もなくまた次の恋に飛びついた。それが答えではないとわかっていながら、一瞬でも寂しさを感じることを耐えられなかったという。

 モテなかった自分からすれば贅沢な悩みでもあるが、彼女が言いたいことは痛いくらいわかった。
そして、そうやって孤独な自分を紛らわすのは彼女だけではないということをよく知っていた。

 うちの母にカミングアウトして何年も経つが、彼女は今でもゲイの自分が寂しい老後を送らないか心配している。
彼女が抱いていたゲイのイメージからすれば、あたしが恋愛をして家庭を持つなんてことは想像できなかったんだろう。
今の彼氏と数年付き合っているのを見て少し安心したのか、最近は老後の話を控えているが、いつか破局をした日にはまた毎日のように心配されることだろう。
酒井法子世代の母は、うさぎは寂しいと死んでしまうというセオリーのせいできっと孤独がトラウマなのかもしれない。