夫は「女性だから」と押し付けないのに「男の子なんだから」と言いたがる

「親はなくとも子は育つ」という言葉がありますが、そうはいっても、子どもを育てている以上、どう育てるかは頭を悩ませることのひとつです。とくにジェンダーについて取り沙汰されることの多い昨今、ジェンダー教育はマストな課題のひとつとされる風潮もあります。ところが息子と同じ年くらいの子のいるママたちが、必ずしもそこを意識しているかというと、そういうわけでもないように思えます。

もちろん「男の子だからブルー、女の子だからピンク」といったステレオタイプなジェンダータイプの押し付けに疑問を持って、あかちゃんの頃はイエローを着せていたという人もいれば、「うちの子、戦隊モノ(プリンセス)が好きなのよ。やっぱり男の子は男の子(女の子は女の子)らしいものが自然と好きになるのよね」という人もいるし、「おさがりでもらったから。どうせ本人はわからないし」と2歳男児にリボンとフリルのついたキラキラなTシャツを着せていた、いろんな意味でこだわりのない人もいる。

うちについては、「何色でもいいけれど、なるべく明るくかわいい色味の服を着せたい」というわたしの意向でもって、乳児の頃からピンクやミントグリーン、オレンジといった明るい色味の服をなるべく着せてきたはずが、4歳となったいま、息子本人に服を選ばせると黒地に炎と忍者がプリントされている、わたしのイメージする“ザ・男児が好きそうな服”を選択するのです。
しかし、本人が着たいものを、親の主義や趣味で潰してしまうのもまた違うし、自分の着たい服を着て、ご満悦になっている子の笑顔に勝るものなどない。そもそも “男の子”の世界だけに閉じこもらずに、広く世界を持ってほしいというのが根本なので、ピンクを着せたときに、「ピンクなんて女の子の色は嫌だ」と言ったりしなければいい……というのが、いまのわたしのあんばいです。