何万回「離婚したい!」と思っても一緒にいられた秘訣/5歳

カップルや夫婦にとって便利なサービスやガジェットは年々増え、家事分担や予定調整など、ふたりの生活をスムーズにする活用方法も広まってきました。
ただ、急に二人の間に新しいシステムを導入するのも難しい…! この連載では、表に出づらい、二人の問題にそもそもどう向き合って解決したか、までの流れを語っていただきます。

「夫婦喧嘩」すべきか否か

2人の問題を2人で向き合っていこうとする夫婦の画像 Takashi Watanabe

5歳さんのお話

結婚して10年。振り返って見ればあっという間だった……というわけでは全然なくて、むしろよくここまで来たなと思う。とても長い道のりだった。最近ようやくお互いの性格やペースがわかってきたけど、ここまでにくるのに10年掛かった。何万回「離婚したい!」と思ったか数え切れない。実際にそのうちの何百回かは「離婚だ! リコン!」と口に出したと思う。しかし一度も離婚届を取りに行くことはなかったので今も一緒にいる。

「夫婦円満の秘訣はなんですか?」と聞かれることがよくあるんですが、僕のツイートをちゃんと読んでいるのか不安になる。【嫁公認アカウント】という名前だけで「嫁が公認しているアカウントならもちろん愛妻家に違いない!」と思い込んでいるのではないだろうか。

日本古来から伝わることわざで「ケンカするほど仲が良い」という言葉がある。「ケンカ=仲良し」という方程式が成り立つのなら、間違いなく僕ら夫婦は日本で一番仲の良い夫婦ということになるだろう。それくらい喧嘩をしてきた。
夫婦喧嘩も十人十色で僕の周りにも、全然喧嘩をしないで別れた夫婦もいる。喧嘩をし過ぎて離婚した夫婦もいた。
では、「夫婦喧嘩」はすべきか否か。喧嘩の回数だけで言ったら日本でもトップランカーの僕が夫婦喧嘩を通じてその答えを導き出したいと思う。

「全然喧嘩しない」その本心は…?

時々いますよね、「私たち全然喧嘩しないんですよね~」いう仲良し夫婦。素で「いいな~」と思う。僕は普通に喧嘩をしない仲良し夫婦に憧れている。いつだって願いはただ一つ、「穏やかな夫婦の時間を過ごしたい」それだけだ。
ただ、喧嘩をしないタイプにも3種類ある。

1.お互いが穏やかな性格で本当に喧嘩にならない
2.どちらかが我慢をしていて喧嘩をしない
3.どちらも我慢して喧嘩をしない

1.は特に言うことがない。結婚相手を決める時点で決まっちゃうわけなんだけど、穏やかな人と結婚できたら幸運だなと憧れる。僕もこのことに10年以上前に気付いていたらまた違う人生があったかもしれません。しかし頭ではそう思っていても、本能ではスリリングを求めてしまうのも人間。ジェットコースターみたいにドキドキする恋を追求してきた結果、今の嫁と結婚することになりました。
恋愛と結婚は違うと言われているのは、恋愛のノリで結婚をしたとして、ジェットコースターをその後の人生50年間乗り続ける覚悟はあるのか? ということなのだと思う。これは男に限らず女性にも言えますが、ダメな恋ほど燃えるし、逆に平穏な生活が物足りずに不倫する人は後を絶ちませんから。あっちが立てばこっちが立たず。ジェットコースターに乗りながら僕は平穏な日々に憧れたりするわけです。

2.3の「どちらか我慢している」、または「お互いに我慢している」から喧嘩が起こらないタイプは、戦いはしていないけど、実際は冷戦ですよね。かなり前にウチの両親が冷戦に入り一ヶ月くらいお互い口を利かない状態になったのですが、もうむしろおもいっきり喧嘩してれた方がマシだよ! と思いました。
夫婦の冷戦って罵り合いはしないものの、家の中の空気は最悪なんですよ。もし子育てとかをしていたなら絶対に子供にとって良くない環境だと思います。思いっきり夫婦喧嘩をしていた方が100倍マシです。そういった意味では、夫婦喧嘩の有無で家庭円満なのか測れないところがあります。

もちろん穏やかな生活が送れている人には一生幸せでいて欲しい。しかし喧嘩をしていなくても夫婦関係が良いとは限らない。むしろ悪い場合さえもある。