都合のいい主張を内面化したYちゃん

しばらくして私が職場を辞めたあとも、Yちゃんとはたまに連絡を取り合っていました。Yちゃんと出会った職場では、私とYちゃんを含む歳の近い女子ばかりのグループがあり、年に2回くらいは集まって近況報告をするという関係が続いていたからです。

Yちゃんは私が職場を辞めてほどなくして転職し、転職先で出会った男性と結婚しました。結婚後のYちゃんの口から出るのは、ほとんどが夫の愚痴(と見せかけたノロケ)と義実家の愚痴(これはガチの愚痴)になりました。
グループで一番最初に結婚したYちゃんの話は、だいたいいつも「旦那は手の上で転がして、教育せなあかんで。ちゃんと育つ男かどうか見極めて結婚するべきやわ」と締めくくられるようになりました。

男はいつまでも子供だから。男は長い髪の女が好きだから。セクハラ発言をしてくるおじさんは悪気があってやっているわけじゃないから。それを笑顔でかわせるのが良い女だから。旦那は家事をしないものだから。真っ向から文句を言うと男のプライドを傷つけてしまうから、女が上手におだてて家事はやってもらうべきものだから。バカな男は、女が許してやらないといけないから。

それらは全て、あまりにも男にとってのみ都合のいい主張です。
Yちゃんは、完全にミソジニー男の価値観を「良いもの」「従うべきもの」として内面化していました。

しかし、きっとYちゃんは、そういったミソジニー男にとって「都合のいい女」でいることで、上手に生きてきたと思っているのでしょう。それが一番、女が上手く世の中を渡っていく方法だと信じているのでしょう。

Yちゃんは、幸せそうです。相互フォローであるYちゃんのインスタのアカウントを覗くと、結婚記念日に旦那さんからサプライズで花束やケーキをプレゼントされたりしています。これもYちゃんの「教育」の賜物なのかな、と私は思いながら「いいね」をつけます。自分が「教育」した男から、自分好みのサプライズを受ける、それがYちゃんの幸せなら私には何も言うことはありません。

先日、Yちゃんと私を含む元職場のグループLINEにYちゃんから投稿がありました。それは、Yちゃんに子供が生まれたという報告でした。Yちゃんのところに生まれたのは、女の子でした。
「おまんじゅうみたいって看護師さんにディスられてますww」と、早速娘の容姿をイジるYちゃんの投稿を見ながら、Yちゃんの子育てが少し落ち着いたら、Yちゃんちに遊びに行こう、と思いました。

Yちゃんの娘が大きくなったとき、母であるYちゃんの「男を許し、男を脅かさない女であれ。男を持ち上げ、弱いものとして振る舞いなさい」という教えと共に、たまに遊びに来ては変なことをこっそり教えてくるおばさん(私)の「男を許さなくていいし、嫌なことは嫌って言っていいし、怒っていいし、男に本気で向き合っていいよ」というアドバイスの両方がいつもYちゃんの娘の前にあり、彼女自身がいつでも好きな方を選べるようになったらいいと思うのです。

そうして私は身近なところからも、呪いの再生産を防ぐおばさんになりたいのです。

次回は<3つのステップで乗り切った!お泊まりで発覚した問題>です。
パートナーとの関係を築いていく上で何かしらの問題が発覚。そんなとき、あなたはどう解決しますか?同棲を始めてから気づいたトラブルを乗り切るため、みみこさんがとった策とは?