毒親の送り方③ まさかの喪主交替

父の葬式の喪主を務める女性の画像 by Annie Spratt

夜中になっても、弟とは連絡がつかなかった。何度電話をかけても出ないし、LINEは未読スルーのまま。TwitterやFacebookのメッセージも未読。あとは鳩か矢文を放つしか通信手段がない。

父が自殺した夜に、弟が音信不通。姉はもう気力体力の限界で、よっこいしょういちと立ち上がる元気もない。

アル「あいつ、自殺とかしてないかな…?」
夫「うーん、弟くんならありうるな」
アル「葬式ふたつ出さなあかんやないかーい!!!」

弟は中2から高3まで父と暮らしていた。「祖母からの養育費狙いで父は自分を引き取った」と弟は話していた。
弟いわく、父にネグレクトされて、暴力も振るわれたらしい。大学進学で上京後も奨学金を使いこまれたり、借金の保証人にされたりして、彼は父を憎んでいた。

「憎悪の対象を失って心にポッカリ穴が空く説」もあるが、そんなエモい性格ではない気がする。彼は母の葬式でも「ずっと会ってなかったから、正直他人みたいな感じなんだよね」と淡々としていた。

とはいえ、弟はメンが細い。メンがごんぶとの私ですら父の自殺はショックなのだから、彼には衝撃が大きすぎたのか??

そんなことを考えながら、朝まで眠れなかった。何十回もスマホをチェックしたが、返事はない。疲労と心労のピークで頭が働かない。ただでさえ大変な時に、さらに大変なことが重なるなんて……

「あァァァんまりだァァアァ AHYYY AHYYY AHY WHOOOOOOOHHHHHHHH!!」

私は夫の胸にしがみつき、エシディシのように泣いた。3分間ほど泣き続けたら「フー、スッとしたぜ」とスッキリした。やはりギャン泣きは効く。

アル「母は変死して父は自殺して弟も自殺しそうで、私、200歳まで生きてしまうのでは?」
夫「たしかに、短命のジョースター家でジョセフだけは長生きだしなあ」
アル「こうなったらジョセフを目指すわ」
夫「そうだ、その意気だ」

冷静になった私は「弟の住む地域の警察に連絡して、アパートのドアをぶち破って安否確認してもらおう」と決心した。
その時ふと思いついて、以下のLINEを送ってみた。「ケッ、夜回り先生かよ」と毒づきながら。

『弟くんへ。誰もキミを責めないよ。何を言っても何をやっても責めないから、どうか今の気持ちを教えてほしい。本当に心配してるから』

!?

なんと、既読がついた!生きとったんかいワレー!!