家族にこだわるよりも

もちろん、血のつながりがない子どもを可愛くないと思う人もいます。友人のひとりは「自分の兄弟の甥や姪のほうが、夫の兄弟の甥や姪より可愛い」と言っています。

逆に、実子であっても愛せない人だっています。人それぞれです。子どもを産む才能と、育てる才能は別ですから。

それでも「実子じゃないとダメ」マジックを解いたら、もっと先入観なく受け入れられる人がたくさんいるんじゃないかと思うんですよね。
それと同時に「子どもを手放したら人間失格だ」というしがらみから解き放たれる人が多くなればいい。

究極の選択で、めっちゃくちゃ言うことの聞かない、思い通りに育たない実子と、素直で可愛くて、自分にめっちゃなついている養子なら、どっちがいいかなんて考えたりします。

西欧では、養子がもっと一般的な印象がありますよね。要は制度と意識の問題なのだと思います。いつの間に日本は実子主義になっちゃったのかしら?

それに、結婚したり、子どもがいるからといって、死ぬときに必ず誰かに看取ってもらえるわけじゃないですよね。家族が留守中に倒れることもあるし、せっかく育てた子どもが家に寄りつかないかもしれない。

家族にこだわるよりも、いかに周りに愛を注げるかだと思うんです。
一緒にいて楽しいと思ってもらえたら、自然と周りに人は集まるはずです。今までだって、一番困ったときに手を差し伸べてくれたのは、家族ではなく友人たちでした。私は本当に人に恵まれていると思う。

だから、いくつまでに結婚しないと子どもガー、なんて焦るより、じっくりと愛を注いで、そしてちゃんとそれが伝わる相手を見つけたいと思ってます。それには自分が魅力的にならないといけないので、日々是学習ですよ。失敗して、泣いて、学んで。

自分、人としての成長が著しく遅かったので、離婚後、長いことモテから遠ざかってたんですよね。
これからガンガン行きますよー。

Text/和久井香菜子

初出:2018.07.21