タイムリーに芋が煮えてないことを夫が指摘

タイムリーにも、昨日夫から注意を受けたので、その様子を紹介しよう。

注意内容は「お前の煮る芋、煮えてねえ」である。

私は正直言ってメシマズであるし、伝説の「腐り手」の持ち主なので、作った物がよく腐っている。
火加減に関しても、火が通っていないか焦げているか、のオールオアナッシングのアメリカンドリーム精神である。
最近特に「時短意識」が高まりすぎて、芋と言う芋に火が通っていなかったようだ。

夫がそれに対しどう注意したかというと、まず「あなたにお願いがある」と言って来た。

これは「映画八甲田山」でも使われたテクニックである。
上層部は危険な八甲田山での訓練を「これは命令ではない、提案であり希望だ」と前置きして、下の者に行かせているのだ。

もちろん命令と同義なのだが、命令すると、面倒が起こるので、あえてそういう言い方をしている。

夫も「これは命令ではない、お願いである」と前置きし「芋が煮えてねえ」と事実を述べた後「最初にレンジで火を通しては?」と「提案」をしてきた。
芋一つにここまで気を使わなくても良いとは思うが、いくら自分が正しくても「言い方」は大事だということである。

これが頭ごなしに、芋が煮えてねんだよ作り直せバカ、と言われたらこちらに非があるとわかっていても「てめえが作れ」と思うだろうし、無言で家に火をつけて家ごと芋に火を通してしまうだろう。

やはり家族間で「命令」をするのは良くない、むしろ反発やケンカを招いてしまう。

相手に直してほしいところがある場合は「お願い」「希望」「提案」という言い方をした方が逆に聞き入れられやすいのだ。

よく「夫に家事をやってほしい時はこうやってお願いしよう」というアドバイスに対し「何故こっちが下手に出て「お願い」しなければならないのか、やって当然だろう」というお怒りを見る。

お怒りはごもっともである。私はどちらかというと家事をしない夫側の人間なので申し訳ないと思う。

しかし、それは下手に出ているのではなく、八甲田山の上層部が下の者に「これは命令ではない希望だ」と言ったのと同じだと考えよう。

つまり、自分が圧倒的上にいるからこそ、命令するまでもなく「お願い」で相手を動かせるのだ。

無能なくせに、文句だけは一人前の下々の者が不満を持たず、やる気を持って取り組めるようコントロールしてやることが「上に立つ者の仕事」だと思って我慢していただければ幸いである。

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