今回のテーマは「夫婦での長期休暇のベストな過ごし方」だ。
今月末から10連休が始まる、前にも書いたが連休ほど無職にとって嬉しくないものはない。
無職が職と引き換えに何を手に入れたかというと、もちろん「長すぎる休み」だ。
それを職を持ってる奴まで手に入れるというのは、国家憲法が謳っている「平等」に反するのではないか、とすら思える。
我々はこの10日間を「10連休が終わった後の奴らの顔」を想像して耐え抜くしかない。
つまり、私にはすでに「休暇」という概念すらないのだが、夫にもない。
夫はサラリーマンなのだが、会社のカラーの明度と彩度をフォトショップで著しく下げられたのか、連休どころか、休みすらない。4月1日に始まった働き方改革がさっそく息をしてない状態だ。
それに夫は良い意味でも悪い意味でも責任感があるので「ふざけるな!私は帰らせてもらう!」と、サスペンスドラマで惨殺される奴みたいなことを言って定時で帰ったり、休みに休むことが出来ないのだと思う。
このように、夫には文字通り長期休暇がなく、私は間違いしかない間違い探しと同じで、全部休みなため、「ここが休暇」というのがない。
このように、我々は休みというものが消えた世界線で生きているので「長期休暇で何する?」という質問は「河童の肉で何作る?」と聞かれているようなものなのだが、一般的には「旅行」がまず考えられるのではないだろうか。
USJの記念写真を買ったのは
私と夫が最後に旅行をしたのはいつだっただろうか。
記憶しているのは新婚旅行のハワイ、そしてその後行った大阪のUSJだ。
玄関にはUSJに行ったときの記念写真が飾ってある、勝手に撮られて欲しければ後で金を出して買う奴だ。
写真には「2012年」と打刻されていた。
何故、未就学児feat.ジジイババアみたいな家族連れか、付き合いたてのカップルぐらいしか買わなそうな「あの写真」を我々中年夫婦が買ったのか、長らく謎だったのだが、おそらく「これが最後の旅行になる」という予感があったのだろう。
私たちが旅行に行かない理由は、まず最初書いた通り「休暇」というものが存在しないからだ。
だが夫とて、2連休ぐらいなら1年に1回ぐらいはあるし、この10連休にもあるらしい。
しかし夫の休みというのは、ない上に休みとわかるのが遅いのだ。
何せ10連休である。夫が休みということは他の人間はメチャクチャ休みであり、それらの人間がハチャメチャにその時期旅行に行くということである。
もはやこの時期に空いている観光地の宿など屋根がないとしか思えない。
調べて見ると、空いている宿がないことはないのだが、どこも平素の3倍ぐらいの値段になっているのだ、こうなると、私が無職であることが問題になってくる。
「俺を誰だと思っている、無職様だぞ」
私に休みはないが、逆に言えば全部休みなのだ。よっていつもより安い閑散期に行くことだって可能なのである。
有職者という魑魅魍魎どもの海に揉まれて、いつもの3倍ボる宿に泊まる意味が全く見いだせないのだ。
それに、たかが一泊二日の旅行なら、普通の土日二連休に行けばよいではないか。
わざわざ、混み、高く、海原雄山が「仕事がある連中に車を与えるな!」とブチ切れている、GW(ガッデムウイーク)に出かけることはないだろう。
そう言い続けて7年経った。
連休じゃなくても二日ぐらい休みはあるだろう、の前提がまず間違っている「そんなものはない」のだ。
我々には他の魑魅魍魎たちと地獄車に乗るしか、旅行に行く方法がないのである。
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