STOP!毒親ポルノ。学研の図鑑シリーズに「毒親図鑑」を入れてほしい/59番目のマリアージュ

アルテイシアさんのライフハックで自由になった女の子の画像

 アルテイシアは激怒した。

 なぜなら先日、夫からこんな話を聞いたからだ。
夫の知り合いに婚約中のアラサー女子がいる。彼女の父親は借金・DV・アル中の三冠王で、母親はさんざん苦労した末に離婚した。彼女と母親は父親から逃げて、現住所も教えていなかった。

 にもかかわらず、婚約者が「お父さんを結婚式に呼ぶべきだ」と強く主張したという。
その時点でクソだが、なんとそいつは勝手に父親に連絡して「結婚式に出てほしい」と直談判したそうだ。

 結局、彼女はその男と婚約破棄した。夫は「君は正しい、そんな男とは別れて正解だ」と告げたという。

 きっと本人も「結婚前にクソだと気づいてよかった」と頭ではわかっているだろう。でもやっぱり深く傷ついて「毒親育ちだからこんなことになった」と自身の境遇を呪っているんじゃないか。

 そう思うと胸が痛くて「その子に特上の寿司でも奢ってあげなさいよ」と夫に言った。寿司は正義である。
そして、その婚約者に特上の昆虫ギフトセット(タランチュラ入り)を贈りたいと思った。

 そいつは毒親ポルノの悪影響を受けているんじゃないか。

「疎遠だった毒親とわかりあって仲直りする」みたいなお涙頂戴系の作品を、私は毒親ポルノと呼んでいる。親が病気で余命いくばく、みたいな設定も多い。
そういうのを見るたび、「ケッー!!!!!!!」とありったけのタンを吐き捨てる私。

 毒親ポルノは毒親の呪いに苦しむ人間にとって、きわめて有害なコンテンツだ。
どんなにひどい親でも、子どもは「親を捨てた自分はひどい人間じゃないか」と自分を責める。それだけでも苦しいのに、毒親ポルノに汚染された人々から「親子だからわかりあえる」「許して和解すべきだ」と幻想を押しつけられる。

 ドラマ『アンナチュラル』に、父と子が対面するシーンがあった。