大事なのは彼と足並みが揃っていること

「結婚するのはあくまでも当人同士」と認識していたとしても、きっとあなたは彼のお母さんと絶縁したいわけではないのでしょう。
義理の関係に限らず、親との付き合い方は人それぞれですから、友達親子と称されるほど仲良しの人、それなりに親の意見を聞き入れて付き合う人、ほどよい距離感で適度に聞き流しながら付き合う人、「年に1~2回会う程度だし……」とそのときだけ割り切る人、義理の関係の付き合いはせず実子のみ付き合いを続ける人、冠婚葬祭でしか会わない人、夫婦ともに完全に絶縁している人……様々なかたちがあり、どれが正しくてどれが間違っているというジャッジはできません。

大事なのは、夫婦で足並みを揃えること、そしてそのための話し合いをできる関係性を築ける相手かどうか、ではないでしょうか。

おそらく、あなたは彼のお母さんの対応が自分の想像していたものとは大きく異なり、ショックを受けたでしょう。
これからあなたは彼と家庭を築いていくのですから、理想ばかりを掲げて、それに反した対応をされても落ち込まないために、跳ねのけたり、適度に流したり、躱したりしながら、強い気持ちを持ってほしいなと思います。

あなたは、彼が自分の名字になることで親と縁遠くなってしまうのでは……と申し訳なく思っているようですが、あなたが責任を感じる必要はありません。
彼があなたと結婚しようと思い、あなたの名字になると決め、そして親を説得しようと行動しているのは、全て彼の自由意思に基づいたものですから、結果的に親との関係が悪くなり疎遠になったとしても、それは彼が決めたことで、彼の責任です。
だって、彼があなたに「今後、親族として円滑な関係を維持するために自分の名字になってほしい」と説得することだってできたわけですから(それをあなたが了承するかどうかはさておき)。

これからどうしたらいいか。それはあなたと彼が話し合って考えることです。
彼のお母さんはどういう人なのか……たとえば一度言い出したら聞く耳を持たない人なのか、それともこちら側が押し通してしまえば時間はかかれど徐々に懐柔される人なのか。また、彼とその両親の関係はどういったものなのか……たとえば一人息子で日頃からべったりなのか、それとももとは疎遠でそれほど頻繁に会う関係ではないのか、彼は家業を継ぐ予定で今後も密に付き合う必要があるのか、などによっても今後の対応は大きく変わってくるでしょう。

先にもお話ししたように、大事なのはあなたと彼の足並みが揃っていること、彼があなたの話をきちんと聞いて寄り添ってくれる人なのかどうか、です。

まずは、彼の考えを聞いてみましょう。
もし、彼が「親もああ言ってることだしさ、面倒だからおれの名字になってよ」と言うようならあなたは「親の言いなりになって自分の意見を簡単に曲げるやつと結婚なんてできるか!」と結婚自体を考え直すことになるかもしれませんし、「父親に協力してもらって説得するから少し時間がほしい」「もう君の名字で籍を入れてしまおう、親とは絶縁する覚悟だから」など、彼の意見によってあなたもまた自分の本心に気づいたり、新しい視点からの考えが生まれるかもしれませんからね。

納得せずに折れたら禍根が残ってしまう

あなたが「自分が蔑ろにされているようだ」とかなしみと怒りを覚えながらも「それでも私は折れたくない」と思っているのであれば、それは貫いたほうがいいと思います。
もし、彼と話し合う中でその気持ちが変わるほど大きなメリットがあると感じたのなら、話は別ですが。

あなたにとって自分の名字はアイデンティティであるのに、それを「義理のお母さんとの関係が悪くなっちゃうから……」という理由だけで覆すと、これから先ずっと禍根が残ってしまうかもしれません。
結婚後に改姓ができないわけではありませんが、名字を変えなければなんらかの不利益が生じる場合のみ認められているため、「やっぱりこっちの名字がいいから」というのは法律上通用しませんから現実的ではありません。
これから先何十年と自分が納得していない名字で人生を送るのは、生活の中で折に触れて思い出し、モヤモヤを抱えながら過ごすことになりますからね。

今回、改姓というとても難しい問題に悩んでいるとは思うのですが、おそらくその悩みの奥には「義理の母親との関係が悪くなるかもしれない」という不安が隠れているのではないかな、と感じ取りました。
それについては先でもお話ししたように「嫌いになったっていいんだ」という気持ちを持つことで、現状から一歩前進することができるのではないでしょうか。

重ねてになりますが、あくまでも結婚するのはあなたと彼です。負けずに頑張れ!

Text/ものすごい愛
Banner design/saori・tanaka

※現在、多数のご相談をいただいております。
ものすごい愛さんに順次回答いただく予定ですが、隔週掲載となるためお待たせしまうこと、すべてのご相談に回答できない可能性もございます。
誠に恐れ入りますが、何卒ご容赦くださいませ。(AM編集部)

>ものすごい愛さんに相談をする<