お互いが納得できる中間地点を探る
今回、あなたが寄せてくださった相談文を読んで「いいな」と思ったのは、お互いがお互いを束縛していない点。
彼が「おれはインドアだから君もインドアであるべき!」とあなたの行動を制限せず、「自分はそれに付き合えないから他の人と楽しんでおいで」と快く送り出してくれているのは、彼なりの気遣いなのかもしれません。
とはいえ、彼とお付き合いをしてからどれくらい同棲しているのかはわかりませんが、やっぱり一度も遠出や旅行をしたことがないというのはたしかにさみしいですし、そんなあなたの気持ちもよくわかります。
家の中にいても楽しい出来事はたくさんあって、それらを共有することで共通の思い出になっていくこともありますが、外に出たときに得た経験や過ごした時間というのはまた別物として大切にしたいですよね。
恋人とのデートや旅行というのは、日常とは切り離した非現実世界で楽しい時間を過ごせるというメリットもありますが、それ以外にも相手の本質を見られる場として無視できるものではありません。
旅行先でイレギュラーなことが起こったときの対応や態度によっては、今後のお付き合いに関わってくることもあるでしょう。
たとえば、デートで訪れた飲食店が臨時休業だった場合、「は? なんでちゃんと調べてないわけ? 最悪じゃん」と不機嫌になるのか、それとも「こういうこともあるよね~! 仕方ないから歩きながら他のお店探そっか! このお店はまたの機会に楽しみに取っておこ!」と切り替えて楽しめるのか、こういった態度はきっと出先だから見れる一面のはず。
他にも、旅行先であなたが体調を崩したときにどんな言葉をかけてくれるのかとか、店員さんに対する態度とか、家にこもりきりではわからない部分ですよね。
恐らくあなたもその重要性に気づいているからこそ、インドアな彼のとの将来に不安を感じているのでしょう。
さらには、彼との結婚を見据え、もしもあなたが将来的に彼との子供を望んでいるのなら、より一層彼の本質は知っておいたほうがいいと思います。
わたしは子供がいないのであくまでも想像に過ぎませんが、きっと子供の行事だってあるでしょうし、大きくなるにつれて習い事の発表会やイベント事も増えていくでしょう。そうなったときに、外での子育てはあなた、家の中では彼の担当、という風にできなくはないとは思いますが、現時点ではまだしっくりこないですよね。
職業や環境によってはワンオペにならざるを得ない状況の人たちもごまんといますが、そういった理由もなく「おれは外出が嫌いだから」で丸投げされてしまったらしんどいでしょうし、あなたが一人きりで背負い込むのはかなり大変だと容易に想像できます。
そういう心配が拭えない状態では、結婚の方向に進めていくのは第三者の立場であるわたしも「一旦ストップしよう!」と声を掛けずにはいられませんし、あなたが躊躇するのも当然だと思います。
相談文からは読み取れませんでしたが、現時点で考えられる選択肢の話をさせてください。
彼は今、学生なんですよね。
恐らく、現時点で考えられる将来設計では、就職、結婚、出産と、様々なターニングポイントが待ち受けています。
もしかしたらそういった環境の変化に伴って彼自身の考え方が変わるかもしれない、という可能性もゼロじゃないのはたしかです。
ただ、ゼロではないというだけで確実なものではありませんよね。
あなたがそれに期待して、「いつか彼が変わってくれるかも」と希望的観測から目の前の向き合うべき問題から目を逸らさずにいるのは、とても立派だと思います。
では、どう向き合っていけばいいか、どこを落としどころにしたらいいか、そして彼が自ずと変わってくれるのを期待するのではなくお互いが納得できる中間地点を見つけられるかについて、お話しをさせていただきます。