相手を深く理解する過程を

相談文には「友達からお付き合いすることを反対されていた」ともあります。
それは、「あの人、いい話聞かないよ? やめときなよ!」というその男性の人となりを知ったうえでの苦言なのか、それとも「そうやって見た目だけで判断して付き合うのよくないよ、いつも上手くいかないじゃん」というあなた自身を咎めるものなのかは書かれていないため判断はできかねます。
でも、「いつも振られていた」と書かれていることからも、お付き合いしていくうちに「顔は好きだけど性格はあまりいい人じゃないな……」と冷静になったというわけではなく、あなたが顔という表面ばかりに注目をして、その人自身をきちんと見ていなかった事実は少なからずあると推察します。

世の中には、あなた好みの見た目の人でも、趣味が合う人、話が弾む人、友達に「やめときなよ」と反対されない人は存在します。
先にもお話ししたように、最初は「かっこいいな」と見た目がきっかけでもいいと思うのです。
ただ、それはあくまでも入り口でそこから先に、相手はどういう人なのか、どういった魅力があるのか、どんな関係を築けていけそうなのかを知ろうとする過程は踏んだほうがいい思います。
相手を深く理解するつもりのない姿勢というのは、案外簡単に見抜かれるものですから。

今あなたが抱いている「この気持ちはなんだろう?」の正体は、あくまでもわたしの想像ですが、“ないものねだり”ではないでしょうか。
今お付き合いしている彼はとてもやさしく、あなたに目いっぱいの愛情を与えてくれ、一緒にいてとても楽しい。これまでお付き合いした男性と比較しても(他人を比較する是非はさておき)、抜群に素敵な男性。でも、正直なところ彼の顔は好きでない。
理想を言えば、彼のくれるやさしさや愛情、安心感をそのままに、さらにあなた好みのドンピシャの見た目を兼ね備えてさえいれば完璧なのに……ということですよね。

「この気持ちは何なのでしょうか?」という質問の先の、あなた自身はどうしたいのか、彼とどういう関係を築いていきたいかについては書かれていないためアドバイスが難しいのですが……。
できることなら、過去に付き合っていた顔が好きな男性を思い出すことなく、彼に100%の愛情を向けていきたいのでしょう。
でも、どうしても、どうしても彼の顔が好きになれず、好みの顔の男性と付き合いたいとばかり考えてしまうのであれば、それはそれで仕方のないことだと思います。だって、好みは人それぞれで、何が好きで誰と付き合うかはあなたの自由なんです。

だからといって、人から与えられているやさしさや愛情を蔑ろにしていいわけではありませんよ。自分本位な考えが拭えないままこのままお付き合いを続けるのは、彼に対してとても失礼で残酷なことですから。