3:浅草呑んだくれツアー
電車で行くのもいいですが、ここは浜松町で待ち合わせて日の出桟橋から船に乗って行ってしまう! 船内でビールとつまみは売っています。約40分かけて隅田川の景色を見ながら「東洋のベニス(笑)」を楽しむのであります。
浅草に着いたらそりゃあ、やはり「うんこビル」ことアサヒビール本社下の同社直営のビアホール「フラムドール」へ。ここでマズいもん出したら同社の沽券にもかかわるということで、注ぎ方はウマいですし、つまみもビールに合うものばかり。
生ビールを何杯か飲んだところで雷門から仲見世を通り、浅草寺へ。参拝を終えたら続いて浅草神社へ。ホッピー通りで観光客に混じってビールを飲み、さぁ、まだ飲めるのであれば、良居酒屋の多い根津へ。面倒臭いからここはタクシーに乗ってしまっても良いかもしれません。
4:京都耐久レース
これは大阪や滋賀在住者を念頭に置いています。或いはたまたま東京から出張で関西に行き、たまたま一日空いた日に、関西在住者とデート、ということでもいいでしょう。
JR京都駅から地下鉄に乗り蹴上へ。ここからほど近い山縣有朋の別荘として知られる無鄰菴でゆったりとしたひと時を過ごした後、南禅寺へ。昔ながらの水道などもキチンと見た上で、今度は哲学の道を北上し、銀閣寺へ行くのか、と思ったらチッチッ、違う。ここから大文字山を登るのです。
登山を開始してから40分もあれば山頂まで行けるのでは。標高466mから「五山送り火」の「大」の文字が描かれる竈も当然見られますし、何しろ京都全体が一望できるのがイイ! ただし、売店などはないので、ペットボトルの水などは用意した方がいいでしょう。
下山は銀閣寺の方へ行き、バスで新京極へ。昼間からやっている飲み屋「スタンド」で生ビールをプハーッのドジョウの柳川なんかを食べるとああ、愉悦。そりゃそうだ。散々歩きましたからね。最後は木屋町通から一つ左に入った和食の「O」へ。21年前に初めて行き、その繊細な味と大将の陽気な人柄にほれ込み、毎年1回行っています。
5:新宿→江ノ島→鎌倉or大船
電車の楽しみといえば、なんといってもビールでしょう。電車でビールを飲むのであれば、そりゃあロマンスカー! というわけで、日本初のサンドウィッチ駅弁「大船軒サンドウヰッチ」をひと箱買い、ビールは500ml缶4本買い、これらをやりながら約1時間の江の島までの道中を楽しもう、というワケです。保冷剤を自宅から持っていくとビールが常に冷たい状態を保てるのでおすすめです。保冷剤を捨てないってのが貧乏くさいけど。
江ノ島に着いたら参道の下にある「貝作」でサザエのつぼ焼きや煮魚なんかでビールをガブガブ。良い感じに酔っ払ったら江ノ島をとにかく山頂まで自力で歩く! 猫と戯れたら後は江ノ電に乗って鎌倉へGO! 途中、長谷で降りて大仏を見るも良し。そのまま終点の鎌倉まで行って鶴岡八幡宮を参拝するも良し。夕食は鎌倉でもいいですが、大船まで行き、駅前の「観音食堂」で豊富な魚介類を頼むと生きててよかった、と思うことでしょう。
6:多摩の意外な青春的風景歴史ツアー
最後に地味~なコースを。なぜか待ち合わせ場所はJR中央線国分寺駅。南口を降りて「あぁ、ここが『さらば国分寺書店のオババ』の舞台となったロータリーか」なんて思いながら、左側に行くと見事な庭の「殿ヶ谷戸庭園」へ。当然ここに入ってしまう。静寂な庭を探索したら今度は南下して「お鷹の道」へ。真姿の池湧水群は環境省選定名水百選に選ばれています。地元の人が作った野菜が売ってあったりもして、つい買いたくなるかもしれません。
このエリアを抜けると国分寺跡地があり、平安時代の名残を感じられますよ~。国分寺を出て府中街道に入ると完全に風情もへったくれもなくなる騒音だらけの場所に入りますが、ここらで疲れたでしょうからどこか空いている店でビールを飲むもよし。ファミレスみたいな店はけっこうあるので、テキトーに入ってしまえばいいです。
英気を養ったら再び府中街道を歩き、国立方面へ。最大の見どころは国分寺と国立の境にある「たまらん坂」。忌野清志郎さんが歌った『多摩蘭坂』の舞台です。以前は坂の脇の石垣にびっしりと清志郎さんへのメッセージが書かれてあったものです。とはいっても、坂の上から見える風景は特に夕方はなかなか美しいものがあります。
そのまま一橋大学に東キャンパスの裏門から入り、キャンパスを突き抜けて某文豪が「日本一美しい大通り」と称したと記憶がある大学通りへ。信号を渡って西キャンパスへ。門を入ってすぐの銀杏の落ち葉がきれいですし、兼松講堂、図書館などレンガづくりの見事な建築を楽しむことができます。一通り回ったら再び大学通りへ。12月になると銀杏の木にはライトアップがされており、見事な夜景です。あとは桜の季節も見事なものです。
国立駅近くはやはり飲み屋は豊富にありますので、お好きなところへどうぞ~。
6コース紹介しましたが、スイマセン、私のようなカネをあまり使うことに喜びを覚えないタイプの人間が好きなコースを書いてしまっただけかもしれませんね。まぁ、「ケッ、けちくせーコースだぜ」と思った方はネットで「デート」「おすすめ」「コース」「高級」など検索してみてください。
Text/中川淳一郎
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