東京に疲れたわたしたちが住むべき「移住先」とは/中川淳一郎

移住 Amos Bar-Zeev

今回のテーマ「人生が楽しくなる移住をしたい」
近頃、地方や海外への移住が盛り上がっているように感じます。中川さんが「ここに住んだら人生が楽しくなるだろう」と思う場所を教えてください! 特に日本女性にとって生きやすい場所などあれば。

海外移住をした知り合いたち

移住した人、何人か知り合いでいます。予備校時代の友人はインド系アメリカ人と交際した後、ワシントンD.C.に住んで専業主婦になりました。大学時代の友人はロサンゼルス赴任をしたのですが、あまりにも当地が気に入りました。だから、日本帰還辞令を受けたときに会社を辞め、その後現地にある日系の銀行に転職し、アメリカ人の夫と今は楽しく過ごしています。

会社員時代の同期は今はオランダに渡り、日本とオランダを繋ぐようなコンサルティングの仕事をしています。オランダの多様でのびのびとした考え方が気に入ったようで、子育てにも良い国だと述べています。最近でも知り合いがフェイスブックに2年間オーストラリアのブリスベンに住むことを突然宣言するなど、移住する人はけっこう多いですね。
あと、芸術家・漫画家のろくでなし子さんもアイルランドのダブリンに移住しましたが、周囲が小さな子どもに優しい環境で良い、とこの前日本でお会いしたときに語っていました。

私自身も2020年9月に米国にしばらく引っ越そうかと考えていますので、ご質問の内容と同様の問題意識を持っています。私が行きたいのは中西部のどこかの町です。元々イリノイ州の田舎に4年9ヶ月住んだ経験があるので、若干土地勘があります。そこから数ヶ月ごとにアメリカを南下し、最終的にはニューオーリンズに住んでみようかと考えています。途中住みたいのはメンフィス、ナシュビル、アトランタの近郊です。

移住先を選ぶときのビジネス的な観点

「女性が生きやすい」という面でいえば、最初の2段落で挙げたような場所は生きやすいと思います。20代だったらさておき、30代以上が仕事をすることを考えるのであれば、現実的な線は日本と関連したビジネスができる都市でしょう。と考えればニューヨークやロサンゼルス、シドニー、バンコク、シンガポール、香港、上海、ソウルなど日本人が多い場所が挙げられるのかもしれませんが、「日本人が少ないから競争相手がいない」というパターンを考えるのもアリです。

私の場合はモノカキですので、あまり日本人のライターがいなさそうなエリアを選び、そこの取材をすればニーズはあるのかな、という逆バリの発想で選びます。冒頭で紹介したオランダ在住の吉田和充君は、「フリーランスのオランダビジネスの第一人者」的立ち位置で今後も活躍することでしょう。