【+α】多少なりとも演出を施す
先日、さまざまな悩みを抱えた仕事仲間から電話が来た。かなり憔悴している感じだったので、色々と相談に乗った。そのうえで、「いつでもいいので、GW中でもいいので、飲みに行きましょう」と誘ったところ、彼は「日程を後で出します」と言った。
一旦電話は切ったのだが、彼は仕事を辞めざるを得ない可能性もあるとも言っていた。その後の彼の人生も心配だったので、すぐに電話を掛け直した。ワンコールで出てくれたのだが、「もしも今の仕事を辞める場合、〇〇さんは優秀なので次の仕事先も私はなんらか紹介できるかもしれません。その場合は遠慮なく言ってください」と伝えた。
この一連のやり取りは飲み屋で展開されていたのだが、そこにいた人は「いやぁ、親切ですね……。1回目の電話の対応は多分誰もがやるでしょう。でも、2回目かけて『困ったことがあったら遠慮なく……』はなかなかできませんよ」と言われた。
こちらとしては、「そういえば……、彼の能力に合う仕事は紹介できるかも!」と思い出しただけの話なのだが、まさかの「人望がある人」的な解釈をされてしまった。そして最後がコレだ。
【大前提】ただしセクハラ・パワハラはせず敬語を使い謙虚でいる
これは説明するまでもないだろう。
ここまでの【2】~【大前提】については、まったくもってして大変なことはない。少しの手間をかければ誰もができる話だ。「人望」というと、バリバリのリーダーシップを発揮し、ゴリゴリ押す、といったイメージを持つかもしれないが、それも不要である。あくまでも人の気持ちを理解し、上っ面ではない対応を心がければ自然と人望はつくものである。
【1】の「そこそこの実力者になる」だが、【2】~【大前提】を繰り返しておけば、自然と【1】の状態になっており、その状態になった後も【2】~【大前提】を忘れていなければ、人望はますます確固たるものとなるだろう。
Text/中川淳一郎