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結婚しないことに理由や責任を求められても困る/インタビュー(3)

 東大院卒の元日経新聞記者で元AV女優という異色の経歴が、週刊誌でセンセーショナルに取り上げられた文筆家の鈴木涼美さん。女性の抱える多面的な欲望や生き様を、疾走する文体で綴った著書『身体を売ったらサヨウナラ』も注目を集めています。
そんな彼女に、女性の枷ともなっている“結婚”という制度との向き合い方、結婚しない“おひとりさま”の生き方について、全4回にわたって伺いました。

第1回第2回はこちら

選択肢は増えたけど、意志や思想もないのに選べない

結婚しない生き方についてインタビューに答える鈴木涼美さん 宮本晶比古

――前回も少し触れましたが、今、独身でいる女性の多くは、はっきりとした主義や思想があって独身でいるわけではない、というのが本音ではないでしょうか。

鈴木

そうですよね。アラサーの時期くらいから、女性は“結婚する×子ども作る”“結婚する×子ども作らない”“結婚しない×子ども作る”“結婚しない×子ども作らない”という4通りの選択肢を迫られると思うんですけど、明確な目的や意志を持ってどれかに決められる人は少ないと思うんですよ。

 私の母の友人は、偉い人の娘さんで、バリバリ仕事をしていて結婚せずにいたら、40歳を前にして「今年中に結婚しないと一家心中する!」と脅されたそうです。
そのくらい昔は、“結婚して子どもを作る”ことの強制力が強かったので、適齢期がくれば何も考えなくても結婚しなきゃいけないと思えた。

――特別な思想がない限り、考えなくてもよかったんですね。

鈴木

ええ。でも、今は一応「どの道を選んでもありだよね」と言われて、自由な選択が許されているということになっているので、結婚するにしてもしないにしても個人の理由と責任が問われちゃう。
高齢出産が昔ほど危険でなくなったとはいえ、ある程度年齢的な上限はある中で、選択肢だけ提示されても、主義や思想のない子には行き場がないと思うんです。

 実際は、「そこまで結婚したくないけど、結婚したほうがいいのかな」とか、「結婚したくないわけじゃないけど、まだしなくてもいいかな」とか、“なんとなく”でずるずると決められない人がほとんどじゃないでしょうか。

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