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  • 2017.11.17

星を越えた恋愛×パンクロックが常識をぶち壊す『パーティで女の子に話しかけるには』

内気なパンク少年・エンがパーティで出会った女の子・ザンと恋に落ちる。だが、二人に残された時間はわずか48時間だけだった—。—エル・ファニング主演の青春“パンク”ラブストーリー。

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© COLONY FILMS LIMITED 2016

 異性と手を繋いだことのない奥手な少年にとって、女の子は未知なる存在。
魅力的な笑顔を振りまく女の子がまるで魔法使いのように、少年の心を奪っていく。それが特殊能力みたいで、まるで宇宙人かのように。
いや、実は全くその通り。内気な少年・エンが恋したのは、まさに遠い惑星から来た女の子でした。

 『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』で一世を風靡したジョン・キャメロン・ミッチェル監督が、エル・ファニングとアレックス・シャープを主演に描いた青春“パンク”ラブストーリー。
パンクキッズの若者たちのボス的存在を演じるのは、なんとオスカー女優のニコール・キッドマン。他の作品ではなかなか見られない怪演も見所の一つだ。

 “パンク×SF”と全く噛み合わない同士の二つが見事に融合し、いまだかつて見たことのないラブストーリーに仕上がっている。

初恋はSFなのかも知れない

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© COLONY FILMS LIMITED 2016

 神秘的で未知な存在の少女を演じるのに、この女優の他に一体誰が思いつくのだろう。最近でも『ネオン・デーモン』『20センチュリー・ウーマン』で小悪魔的キャラクターを演じてきたエル・ファニングだけあって、童貞の心を鷲掴みにするような瞳だけですでにエンを撃ち抜く。

 はっきり言って荒唐無稽だ。パンクキッズたちが忍び込んだパーティが、まさか遠い惑星から来た者たちの儀式で、そこで出会った女の子に恋するなんて。でも、初恋において異性と初めて触れ合う緊張感や、知らない領域に踏み込んでいく感覚はまるで“未知との遭遇”。SFの世界に潜り込んだように、エンがザンの魅力に取り憑かれていく。その心模様は誰しもどこか身に覚えがあるだろう。

 48時間後には遠い惑星に帰らなければいけない。そんな刹那的な恋の衝動が、1970年代のパンクロックの疾走感に乗って突き進んでいく。

パンクロックのように恋愛の常識を覆す

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© COLONY FILMS LIMITED 2016

 エンはセックス・ピストルズといった“パンク”が大好きで、父親に捨てられた家庭環境の中でもパンクファッションに身を包み、同じくパンクを愛する仲間たちと自由奔放に過ごしている。

 一方、ザンは故郷の惑星のルールや常識に囚われて、自由な意志や行動ができない。他の惑星の者からしてみたら、意味不明な儀式やダンスなんてバカバカしい。でも、それは地球の住人に対しても、同じことが言えるのではないだろうか。気の合わない仕事仲間と波長を合わせる。好きでもない仕事に時間を奪われる。限られた人生の中で、なぜ人間はこうも意味不明な行動を取るのか。
それを否定し、破壊するのがパンクロックだ。

 元々自身の惑星のしきたりに疑問を呈していたザンが、突如ボーカルとしてステージでパンクスピリットをぶち撒けるライブシーンは痛快でしかない。本作がSFファンタジーで描くのは、我々の惑星の現実でもあるのだ。

 エンとザンの“星を越えた”ラブストーリーは、まさにパンクロックのように常識を覆す。

 パンクを愛する者が作ったとしか思えない、心地よい破壊の数々に、しばし普段の束縛から逃れられる。
どこか自由な気分になって、二人の恋路を応援したくなるに違いない。

ストーリー

 1977年のロンドン。パンクを愛していながらも、女の子にまともに話しかけられない内気な少年・エン(アレックス・シャープ)は、ある日仲間と乗り込んだパーティで不思議な少女・ザン(エル・ファニング)と出会う。パンクの話に共感してくれるザンに、エンは恋に落ちる。

 しかし、ザンは遠い惑星から来た女の子。あと48時間後には、その惑星に帰らなければいけない。
二人は互いの惑星の大人たちの決めたルールに反発し、パンクな恋の逃避行に繰り出す――。

12月1日(金) 新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷他全国順次ロードショー

監督・脚本:ジョン・キャメロン・ミッチェル
キャスト:エル・ファニング、アレックス・シャープ、ニコール・キッドマン
配給:ギャガ
原題:HOW TO TALK TO GIRLS AT PARTIES/2017年/イギリス・アメリカ映画/102分
URL:『パーティで女の子に話しかけるには』公式サイト

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Texr by たけうちんぐ

ライタープロフィール

たけうちんぐ
ライター/映像作家
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