何でもかんでも許容することと、自由は違う

あなたは「彼は自由を好むタイプ」だと仰っていましたね。
そして、そんな彼の価値観を尊重したいと思っているように感じました。
自分の価値観を押し付けない、というのは立派なんですが、“自由”を極端に考えすぎてはいけません。
たしかに、不必要に制限されていては息が詰まってしまうため、相手を束縛するのはよくないですし、結婚したからといって自由を手放し、好きなこと・やりたいことの全てを諦める必要はありません。

でも、何でもかんでも許容するのは、自由とは違います。
自分さえ我慢すればいい、自分の中でだけ感情の折り合いをつけるべき、なにもかも相手の望み通りにしてあげる、というのが一生続くと、それこそあなた自身の心が自由ではなくなってしまうと思いませんか? 
結婚して、他人と生活をともにするとなれば、なにもかも自分を中心に世界がまわらなくなって当然です。
相手を思いやる気持ちの上に、自由は存在すべきだとわたしは思います。

旦那さんがバスケ部のコーチを辞める選択をする場合、先にも言ったように「自分が我慢するから」という発言が気にかかっているのでしたら、「その言葉は、あなたはほんとうは辞めたくないのに、わたしと一緒に過ごしたくないのに、わたしの機嫌を損ねないための決断をしているようでかなしい」と伝えていい部分です。
そこで、旦那さんが「そんなことない、おれが君と一緒に過ごす時間がほしいから、コーチを辞めるんだよ」と言うのであれば、それは信じましょうね。
「ほんとうは辞めたくないはずなのに、わたしのために嘘をついている…」なんて思い込んでも、キリがないですから。

言葉の裏を読んでもいいことはひとつもありません、本人がいいと言っているのなら、それでいいんだと、ある程度は鈍感になるのも大切です。
だって、旦那さんも立派な大人なんですから、自分で決断できますし、あなたのことよりもコーチを優先したいという気持ちが強いなら、無理矢理にでも続けるでしょうしね(そしてその時はまた違う議論が必要だとは思いますが)。

わたしが相談文を読んでいて一番気になったのは、自分の時間に対する意識があなたたち2人の間で違うこと。自分のルールや“こうすべき論”ばかりを押し付け合うことはよくありませんが、「どういう結婚生活を送りたいのか」という擦り合わせをして、その共通目標のもと、お互いに自由な時間をつくってほしいと思います。

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この連載では引き続き読者の皆さまからの恋愛相談を募集します。最後の一歩が踏み出せない方の背中をドーン!と押すため、今にも崖から落ちそうになっている人を腕一本で引き上げるため、誰かに厳しく叱られたい方の左頬をフルスイングで打つため、わたくしポジティブゴリラは日々ゴリラらしく腕力を鍛えてお待ちしております。

Text/ものすごい愛
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