結婚した後のことは知っている

 月日が経てば、今ほど仲も良くなくなる。お互いに老いて、衰えてゆく。絶対ケンカする。離婚するかもしれない。それぞれを何とか乗り越えたところで、いつか必ず死んでしまう。それでも、1度でもフィールソーグッドな日々があった事実は消えない。型どおりの分かりきった展開を味わいたい。

 世の中には確実に選択肢が増えているけど、必ずしも新しい選択肢が正解ではないと思います。型にはまる必要はないけど、オリジナリティにこだわらなくてもいい。おなじみの出し物が続くベタなパーティーも、愛おしくて楽しい。

 型を借りればいいと学んだとはいえ、披露宴的なものをやるのかどうか、実はいまだに決めかねています。チャペルやウエディングドレスは恥ずかしいなぁ。どうせなら、シチリア風のガーデンパーティーで、ビッグバンドの演奏と共にダンスをしようかな。もしくは古びたパブに集い、バイオリンやアコーディオンの賑やかな演奏の中で、ビールを飲みまくりたい。あるいは両家の父親にコサックダンスを練習してもらい、剣を振り回して「マムーシュカ」を踊って欲しい。お寺のお堂で太鼓を叩いて暴れ、採石場での大爆発をバックに歩き去りたい。
無駄に溢れるオリジナリティに苦しめられながら、上手くはまる型を探す毎日です。

(つづく)

Text/カワウソ祭

次回は<愛とはどういうものかしら―夫婦と親族の話/カワウソの結婚>です。
結婚後の悩み・問題といえば、義両親(姑・舅)など親族との付き合い。年末年始は特にそうですね。もちろん「家」同士の結婚なんてとうに昔のことですが、カワウソ祭さんはあえて「群れ」に合流するメリットを見つけます。