恋愛、間に合っているのでは問題

 ToDoリストを作り、消化しながら、悩みつつ最後に加えたのが

良き恋人を得る

 の項目。書いてはみたものの、釈然としない。いま、足りないものを買い足すように、恋人が「必要」だろうか?
男女ともに友達はそれなりにいて、気ままに遊ぶのが楽しい。恋人がいるのもいいけど、今さら恋愛という定員2名の小部屋にこもりっきりになるのは、窮屈に感じる。

 では恋愛が不要なのだとして、恋愛の先にあると思しき「結婚」をしたくないかというと、したくなく……なくなくはない……。でも、いつ誰と、どうやって結婚したいんだろう? 恋愛って何?
中学生みたいに悩んでいるタイミングで、奇しくも良い人と知り合ってしまいました。趣味も悩みも気兼ねなく話せるし、これは付き合うパターンでは? という状況に直面して、あらためて頭を抱えるハメに。

 しかし、煮詰まっていたところへ降ってきた言葉は、「付き合いませんか」ではなく「結婚しませんか」でした。

結婚をやってみよう

 結婚?! まだ付き合ってないのに? かなり驚いて、「それは他にもっとちゃんとした人がいるんじゃない?」と聞くと、相手はもっと驚いて「えっ、どこがちゃんとしてないの?」と聞き返されました。真人間プロジェクトは道半ば。でも確かにいま、当社比では人生で最もちゃんとし(ようとし)ている!

 急に視界が晴れた気がしました。自分で納得のいく自分にできる限り近づこうとしたことで、「ちゃんとした人」という評価を受け止める自信が付いた。まだ真人間じゃないけど、人に化けようと四苦八苦する自分を面白がってくれる人が現れた。

 恋愛はもうええねん。でも、結婚は面白そう。
しかも、よく分からない結婚のやり方を、「分かるようになる方法」が分かるぞ! ついこないだ赤ペン先生をやったところだから!!!

 実際に結婚するまで、どうせやる事がたくさんある。またToDoリストを作り、ひとつひとつに時間をかけて挑んでみればいい。途中でお互いに「やっぱり違う」と思ったり、無理を感じたら、やめればいい。結婚、やってみよう!!
こうして、思いがけず「真人間プロジェクト」の続編「結婚プロジェクト」がスタートしたのでした。

(つづく)

Text/カワウソ祭

次回は<恋人と上手にケンカしよう―怒る練習をした話/カワウソの結婚>です。
「結婚をやってみよう」と思い立ち、そのための真人間プロジェクトを立ち上げたカワウソ祭さん。結婚前は相手との相性を知るために、いくつかの判断項目を挙げていました。「ケンカをしてみる」ことが重要だという、その理由とは?