自信を持つのは悪いこと?

今思えば、当時のわたしは自信を持つのを悪いことだと思っていたのかもしれない。誰もが認める美少女でなければ、自分を可愛いと言ってはいけない。思っているそぶりも見せてはいけない。好成績でも「たまたまだよ」「もっと賢い子なんてたくさんいるから」。

「評価は他人様にいただくもので、自分で自分を高く評価するもんじゃない」という決めつけが、ずっと自分の中にあった。他人に評価されるためなら、何でもしなくてはいけない気がした。納得のいかない扱いを受けても、「それがわたしへの評価なら」とひとりで耐えるしかない。自己評価が低すぎると、怒るべき時に怒れない。そうなるとますます周りに雑に扱われ、自信を失うループに陥る。

けれど、本来自信なんてのは他人に与えてもらうものでもないはずだ。モデルのような容姿じゃなくても「自分は美人」と思っていいし、そこまでじゃなくとも「絶世の美女ではないけど、可愛いよね」くらいに認めてもバチはあたらない。何ができなくても、他の何かが得意であればそれでいい。というか、何も得意でなくても根拠なく自信を持っていいのだ。

いるか?モンドセレクション

とはいえ、今も強大な自信をもっているわけではない。美人でもなく、仕事上ではミスも多い。けれど、納税してるし犯罪行為に手を染めてもいないので、まぁまっとうな大人ではある。

29歳の崖っぷち。そういう価値観を持っている人から見れば、おそらくわたしは1年以内に崖から落ちることになるのだろう。モンドセレクションのシールがあれば、救出されるのかもしれない。でも、いるか? モンドセレクション。

アラサー女子の前にあるのは、見る人から見れば崖であり、別の人からはなんの変哲もない道に見え、ある人からは明るく開けた景色が見える。なんでもそういうモンである。

Text/白井瑶

初出:2018.11.15

次回は <不倫をするのは普通のいい子が多い。「期待値の低い恋」のメリットとは>です。
意外なことに、不倫をするのは悪女よりも「普通のいい子」が多いんです。どうして身近にいる普通の彼女が既婚者と付き合ったりするのでしょうか。本当の原因は「期待して苦しむことが少ない心地よさ」だと白井瑶さんは分析します。