あの子、美人じゃないけどモテるよね
言うまでもなく、美人は恋愛に有利である。けれど、「美人はモテる。ブスはモテない」なんて単純な話でもないことは、誰もが知るところだと思う。
「特別可愛いわけではないのに、常に彼氏が途切れない。いつも彼氏はメロメロで、大切にされている」。そんな女友達に心当たりはないだろうか。今日は彼女たちのモテの秘密を考えていきたい。
不美人モテ子の4箇条
美人でなくてもモテる子たちの特徴は、だいたいこんなところだと思う。
以下の1~4のうち、1つを満たせばそこそこモテて、2つ以上ならきっと「すごくモテる」。
(1)雰囲気美人
(2)モテテクの達人
(3)寂しさ匂わせ師
(4)容姿のステップのない女
(1)雰囲気美人
多くの人は出会った瞬間、相手を無意識に、恋愛対象としてアリ・ナシに振り分けているように思う。「アリ」の中で、さらに「可愛い子」のフォルダに入れれば、恋愛に有利なことは間違いない。「可愛い子」フォルダに入れるのは、まずは美人。あとは雰囲気美人である。
肌と髪の美しさ、話し方。似合う髪型メイクにファッションでつくる「美人っぽい雰囲気」。本当の美人と雰囲気美人は、女性から見れば天と地の差だ。けれど、特別面食いでもない男性は、美人と雰囲気美人を「可愛い子」で案外雑にひとくくりにする。
蛇足だが、初対面で「アリ」と思う割合は、男女で倍以上違うように思う。女性が「アリ」だと思う男性が3割だとしたら、男性は7割くらいが「アリ」なんじゃないだろうか。その代わり、男性は「ナシ」側の女にひどく厳しい。
(2)モテテクの達人
いわゆる「モテテク」などを駆使して相手の心をゆさぶることに長けているタイプ。学習したのか、天性なのか。
「男子の発言には、ぜんぶ『すごーい♡』で返してあげよう!」みたいなある種のモテテクは、心を殺すことに近い。それでもなお獲りに行くその姿勢には、揺るぎない「モテたい!」の意志を感じる。
(3)寂しさ匂わせ師
寂しさや弱さを上手に表現できる人は本当にモテる。特に男性は、自分が救える程度の不幸を抱えた女が大好きだ。小さな労力で、自分がヒーローになれるからだ。そして自分をヒーローにした女はそう、ヒロインになるのである。
逆に言うと、それができない人は恋愛から遠ざかる。「もう何年も彼氏がいなくてヤバい」と言う女性の半分くらいは、表現するような寂しさを、そもそも持っていない気がする。
彼氏を欲しがるのは、言葉通り「何年も彼氏がいなくてヤバイから」だ。でも、本心ではそれほど恋人を欲していないから、本格的に恋人を探すことはないし、チャンスがあっても「なんとなく違う」で容赦なく恋人候補から外していく。
相手に必死さや焦りが伝わると引かれてしまうが、寂しさは時に引力になる。けれど、例え寂しさを持っていたとしても、伝わらなければ寂しくないのと同じだ。引力を発生させるには、上手に寂しさを匂わせる必要がある。やりすぎるとメンヘラとして敬遠されるので、さじ加減が重要である。
(4)容姿のステップのない女
女性に生まれて、容姿のことで悩んだことない人は少ないのではないかと思う。幼い頃から事あるごとに容姿でジャッジされてきたわたしたちは、容姿に価値を置かざるを得ない価値観が染みついている。
容姿は自信につながりやすく、自信は魅力になるといってもいい。そんな容姿→自信→魅力とステップアップしていくその1段目で、躓いている女性たちがいる。
一方で、容姿以外に誇れるものがあったり、あるいはそんなものがなくても、自分に価値を見いだせる女性もいる。誰かの顔色を伺うことなく、相手がどんなにハイスペックだろうと、気後れせずに対等に接することができる人。
美人じゃないからできないことは、たぶん本当はそんなに多くない。だけど、美人じゃないからと諦めてしまうことは、結構あるのではないかと思う。
極端な例だが、職場に急に坂口健太郎が現れたとして、わたしは目を合わせられない。マスカラが滲んでいないかとか、ファンデが崩れていないかとか、そういえば少し太ったんだとか。そういうことを気にしてしまう。でも、自分の中に容姿のステップがない人は、少なくともそこは気にしない。マスカラが滲んでいようと太っていようと、自分には坂口健太郎の前に立つ価値があると信じているからだ。
結局、自信がほしいんだけど
モテることは、平たく言えば肯定されることだ。肯定されることで得られる自信は、人生を豊かにしてくれる気がする。モテなくてもいいけれど、揺るがない自信は喉から手が出るくらいに欲しい。最近は特に思うようになった。
……でも、簡単にモテるならやっぱりモテたいので、「とりわけとかダルいけどモテたい」AM編集部の(心を殺さない)モテテク記事は昼休みに熟読した。
Text/白井瑶
初出:2018.04.12