アーティストとデザイナーの違い

いわゆるクリエイティブな職業で活躍する人は、世界の最先端で受けているものは何か、他の分野から応用できるものはないか、常に多くの分野から勉強し、吸収する努力を怠りません。クリエイティビティとはセンスでも生まれでもなく「努力の結晶」なのです。

私の友人に、アートへの造詣を活かしながらバリキャリとして活躍している方がいます。彼女がクリエイティブ職を目指す人から「私は変わった人間だから、クリエイティブな仕事に向いていると思いますが、どうすればいいですか?」と相談されたときには「アーティストとデザイナーの違いってわかる?」と質問するそうです。

アーティストは自分のやりたいことで食べる代わりに企業やスポンサーから搾取される存在。
対してデザイナーは社会へ受ける形で自分を売り込むことができる人間。

だから勉強してデザイナーになりなさい、と諭すそう。

確かに、たとえば音楽アーティストは事務所から離れることすら自由にはできません。
もし真に「クリエイティブな仕事」で生きたいならばアーティストではなくデザイナーを目指すべきです。自分を商品化し、営業回りや経理業務といった裏方をこなし、独立することで、「クリエイティブな仕事」は成立するのかもしれません。

★次回はたとえ何者かになれても、何者にもなれない。勝者のいなくなった承認ゲームの現在について、ご案内していきます。

Text/トイアンナ

初出:2016.05.05