昭和48年のJKは好きな人がいないのが悩み?/昔の誰かの恋日記(1)

 古書市場に出回っている個人の日記帳。
現代のブログと違い、誰かに読まれることを前提としていない日記帳には、赤裸々な恋心が書かれている。

 今回から紹介するのは、1970年代に女子高生だった女性の日記。周りの友達は恋愛に夢中になっているけど、彼女にはまだ好きな人がいない。
恋愛をしていない自分に焦りを感じ始めるが…!?

1973年9月10日 日記を始めました

 友達に影響されて、私も今日から日記をつけてみることにした。日記をつけるなんて生まれて初めて!私のことじゃ“三日坊主”で終わっちゃうかも知れないな。でも、毎日つけられなくてもいいから、なるべくなが~くなが~く続けたいと思っていマス。

1973年9月16日 私の周りの恋愛事情

 きょうも、また例の仲間と公民館に行った。
公民館ってホントは勉強するために貸しているのだけど、私たちの場合、男の子目的で行くのだから、勉強なんてほとんどしない。私は別に好きな子がいるわけではないが、他のみんなは誰がいいとか言って、だいたいその話だ。

 それから、きょうは原さんが白木君にM高の人を紹介してもらうという事で、1時に駅の近くの「喫茶S」で待ち合わせることになっていた。
私たちは林さんたちを片すみから見るわけだったのだが、ひとまわり見渡したところ、林さんたちはいないではないか。

 まだ時間があるので、もう1度公民館に行ってみた。「林さんたち、ホントにやんなっちゃう」なーんて、何分か話していたら、その2人が来た。そしたら、やっぱり違う店に行ったのだそうだ。私たちはいったい駅まで自転車で何しに行ったのだ?マチャアキじゃないけど、「バカバカしくてやってらんないヨー」って感じ。でも、その相手の男の子、変な子だって言うから、別に見なくてもよかったけど。

1973年9月17日 友達の好きな人

 きょうは学校帰り、まだ時間が早かったのでショッピングに行った。2階で何分か見ていると、金井さんがさすが2.0の目のよさで、佐々木さんと田村さんが好きな「佐藤君」を見つけた。私たち4人は、彼が降りてくるのを待っていた。私たちは彼の家をつきとめようという事で、佐藤君の後を追ったのだ。
でも、私たちが信号を待ってる間に佐藤君が見えなくなってしまった。私、男の子の後を追いかけたのって初めて。あの2人は本気かもしれないけど、私の場合、興味本位でやってる感じ!

1973年9月18日 友達は「佐藤君」に夢中

 きょうは、朝、バスを降りたら佐々木さんと田村さんの2人が急に走り出した。何かなって思ったら、バスの中から佐藤君が見えたそうだ。
田村さんと佐々木さんは、彼の後ろ姿を見てただけでも満足したようだった。「これから毎日会えるといいのになァ」って言っていた。
そして今日も佐藤君を待ちぶせすることにした。何本か下り電車が駅に着いたけど、とうとう佐藤君はいなかった。佐々木さんと田村さん、かわいそうに。きのうは偶然だったのネ!

1973年9月20日 好きな人を見つけたい

 けさ、バスが少し早く着いたので、私たち4人は佐藤君を待っていた。彼が近づいてきたら、私たちは何げなく歩き始めた。佐藤君は、もう私たちの事に気づいている。きょうも意識してチラッとこっちを見たもん。なんか悪いような気がする。まして、私は好きでもないのに佐藤君を追いかけ回すなんて。私っていけない子かしら?
でも、私、ホントはさびしい。B・Fも好きな人もいないんだもん。そして、私を好きだという人も。誰も愛さずに、誰も愛してくれない。ほんとに、つまんない。せめて、片思いでもいいから、好きな人くらい見つけたいなァ。

 私は、スター的な人以外には、ほんとうに心から好きな人がいない。すごくさびしい!

☆次回、恋愛を知らない彼女に、ついに好きな人が…!? 次回は≪元祖ジャニオタの暴走日記「好きじゃない方が幸せだった」≫をお届けします。
※本文に登場する人物名は、すべて仮名です。

Text/かみやじん