結婚を決めたのは「親がOKしたから」
「えーと、プロポーズされたその場で?」
「その場で。テーブルで電話を使うなんて、マナー違反ですね今思えば」
私が突っ込みたいのはそこじゃない。
何で自分が意思決定する前に、親に電話して意見を仰いだんだ。その間彼は何をしていたんだろう…。パニックに陥りながら電話する彼女を目の前に、待ちぼうけを食らっている彼を思うと不憫でなりません。
「で、『親がいい人なんだから、結婚しなさいよ』って言ったから、結婚を決めたんです」
「ウソでしょ?」
話を聞くと、彼女は円満な家庭で育ち、特にお母様がすばらしい方だったとか。それで何でもお母様に相談するのが通例になっていたそうです。学校はどこへ進学すべき?就職先は?結婚は何歳で?告白された彼と付き合うべき? こんな相談の延長線上に、プロポーズを受けるかまで含まれていた、と。
「でも、いま結婚してないよね?」
そう、トモさんは、彼との結婚を放棄したのでした。
親に相談したことをひっくり返す
事件は彼の友人も招いてお披露目のディナーをしたとき。彼がひどく酔っ払って、後輩に無理やりお酒を飲ませてつぶしてしまったそうです。それだけなら、と思いますがトモさんは「あのときの恫喝が怖かった」と当時を振り返ります。
「お前俺の酒が飲めねえのかよ、殺すぞ、なんて言ってたんですよ。後輩の子がかわいそうで。それに結婚したら、酔っ払ったときに私が同じように絡まれるかも、と思ったら怖くなって。禁酒できないか、って彼にそれとなく言ってみたんですけど、会社の接待もあるし絶対に無理だって」
それでも、彼女は親が認めた彼を手放すのに数ヶ月を要したとか。そのうち婚約パーティの日取りも決まり、いよいよご両親のお取引先にも知れるであろうというタイミングで「今じゃないと、逃げられないよ」という友人に背中を押されて婚約解消を申し出た、と。
「彼はまさかそんなことで、って驚いていましたけど、怒ったりはしませんでした。本当に飲まなければいい人なんです」
「ご両親は?」
「直前まで黙っていたことは怒っていましたが、最後は私の決めたことだから、と言ってくれました。そう思うと、まだ親にべったりなんだけど。でも、私にとっては親に相談したことをひっくり返すなんて、革命だったんです」
自分で人生を選ばない言い訳?
トモさんは「もしあのとき決断していなかったら、夫婦仲が悪くなったとき、親のせいにしてしまったかも」と言っていました。彼女の例は極端かもしれませんが、私たちだって知らず知らずのうちに親の条件で男性を選んではいないでしょうか。
「定職に就いていないなんて」「喫煙者はダメよ」「相手のお家柄が良くなくては」といった親からのアドバイスはとてもためになります。
けれど、「親のアドバイスは、自分で人生を選ばない言い訳になっていないか」と、ときには省みなければいけないなと、恋愛強者から教えてもらえました。
☆個人情報保護のため、一部内容を編集しています。予めご了承ください。
☆次回からは新シリーズ!「セカンド女子が本命になる方法」を伝授します!
Text/トイアンナ
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