妊娠中はハイになる?味噌に赤ちゃんの手を突っ込んだ結果…

赤ちゃんの手の画像by Cimabue

何かをきっかけにして、これまではまったく興味のなかったことに、ふと挑戦したくなることってないですか? 例えばわたしは湘南に引っ越したことをきっかけに、ウクレレとサーフボードと釣り竿を買いました。

しかし、ウクレレは一曲も弾けるようにならず、サーフボードは大きなビート板として、浮いているときにしがみついているだけの役割で終わった。

釣りだけはがっつりとハマって、早朝から堤防で釣り糸を垂らすのが日課となりましたが、何が面白かったかというとそのギャンブル性であって、「まるでパチンコのモーニングに通う主婦のようだ……仕事が残っているのに」と荒んだ気持ちで、缶チューハイ片手にひたすらフィーバーを待ちわびるのが常でした。
けれども、ウネウネした虫を触れるようになったし、生きている魚を殺せるようになった。人間として少し強くなれた気がするので、釣りには感謝しています。

他に「よし、やってみよう」と思い立って挑戦したことといえば、以前も書いたようにスピリチュアルです。40代に入る前に一番苦手なことを試してみようと思ってスピリチュアルを学ぶことを決意したのですが、これもまた、あっさりと失敗に終わり、やはりこれまで手を伸ばさなかったことには、それなりに理由がある――ようするに好きじゃない――と確信したのですが、それでも懲りずに、何か新しいことを始めたい虫は定期的に湧いてくるのです。

妊娠がきっかけで「丁寧な暮らし」に興味が…

妊娠中~産後しばらくは、「妊婦生活も育児も楽しんでこー!」という謎のハイ状態でした。それまで安い焼酎、深夜の焼肉、二日酔いにはラーメン、週に二日のサイゼリヤのマグナムボトルと、とにかく不健康極まりない生活を “わたしらしい”と肯定してきた私であっても、そのハイに寄る前向き加減が「これをいいきっかけにして、丁寧に暮らしたい」と思う方向に向いたのです。

その引き金となったのは、妊娠をきっかけに、これまで仕事をしながら飲んでいたコーヒーや紅茶を辞めて、ノンカフェインのハーブティーに切り替えたことだと思います。
代替え品として致し方なく飲んでみたものの、思っていたよりも美味しい。せっかくならもっと好みのブレンドを探してみよう……こうして生活の中にハーブティーというものが入り込んできた。

もちろんハーブティー自体が悪いことはなく、美味しく飲んでいる分にはいいのですが、その「身体にいい」みたいなところに、付加価値を付けて高く売っている商品も多い。
妊娠中からすっかりハーブティー漬けになったわたしが産後出会ったのは“ミルクアップブレンド”という授乳中の女性専用のハーブティーで、飲むことで母乳も豊富に出るし乳腺炎にもなりにくいという触れ込みのものでした。30パックで2000円くらいする上に、やたらとアフィリエイトのリンクが張ってある。
「怪しいの? 怪しくないの?」と迷いつつ気休めに飲んでいたのですが、これも、産後という特殊な時期だったからこそ、すとんとわたしの中にハマってしまったように思えます。

おまけに、本当に妊娠中から産後というものは、これまでとはまるで価値観の違った場面に遭遇するのです。例えば、妊娠中、整体に行きたいと思ったものの、これまで通っていたところは、妊婦を受け入れてくれませんでした。仕方なしに妊婦でもOKなところを探して受けたのですが、温めたこんにゃくパックと豆腐の湿布などを施されるのです。「自然なものが体にいい」ということらしいですが、臭い。

けれどもこうやって妊娠中からじわりじわりと自然っぽいものに犯されたわたしが、産後に挑戦したのが、味噌作りでした。