「アホかわいい」の代償

しかし、『ミッション:インポッシブル』というタイトルさえ覚えられなかったはずの女が、いざ映画が終わった後に、あれやこれやとややこしい感想を語り出したら、相手の男性もビックリです。「あのアホかわいい君はなんだったの?」と。

アホになるテクニックを使って彼を落としても、付き合いは終わりではありません。さっさと地の自分を出すか、もしくはキャラクターを演じ続けるか、腹を決めて選ばなくてはならないのです。

でも、地を出して嫌われるのは、ダメージがあります。なぜなら、それは“わたし”という存在が否定されることですから。かといって、作ったキャラクターを演じ続けても、これまた「彼は本当のわたしを見てくれていない」と病むことになるし、こういうことを悩み続けること自体、自分が引き裂かれるようでしんどい。

若い頃にモテるのは、アホっぽい女の子、アホを演じることの出来る女の子だったりもします。けれどもこのように、わたしがそれを試したところで、満足のいく結果にはなりませんでした。

アホのふりでモテようとするのは向いていないことに気がつき、わたしが次に取った方法は、「とりあえずセックスをする」ことでした。次回に続く。

Text/大泉りか

初出:2018.07.28

次回は<雑魚モテを卒業しようとした私の「とりあえずセックスする」作戦は大成功>です。
若い頃は「アホな女のふりをする」というモテテクニックを合コンで使いまくっていた大泉りかさんでしたが、あるときを境に「とりあえずセックス」作戦にシフト!付き合う前にセックスして大丈夫?と心配な方は、ある力を磨かなければいけません!